ふんわりおいしく仕上げるには「炒める前の下ごしらえ」がカギ
――ちょっとした工夫でおいしくなるのはうれしいですね!ぜひコツを教えてください
「最大のポイントは“炒める前の下ごしらえ”です。わたしは時間があるときには1枚ずつ広げてから焼くようにしていますが、忙しい日はなかなかそうもいきませんよね。そんなときにおすすめなのが、加熱前に一度お湯でほぐす方法です。
お湯でほぐすと聞くと少し面倒に感じるかもしれませんが、ボウルに熱湯を1カップほど入れ、豚こま肉をくぐらせて菜箸でゆらゆらと混ぜるだけ。そのあとすぐにザルにあけて、水気をキッチンペーパーで軽く押さえればOKです。これだけで、お肉がふんわりやわらかく仕上がるんですよ」



――それだけでそんなに変わるんですか?
「はい。お肉がほぐれることで均一に火が入るようになるので、炒めるときもパサつきにくいんです。それに、余分な脂を落とせるのもこの方法のいいところ。普通に炒めるよりもさっぱりしていて、冷めても脂が固まりにくいので、お弁当のおかずにもぴったりですよ。
焼くときは中火で、菜箸で軽く動かしながら炒めるのがコツ。しっかり火が通ったら、少し放置して焦げ目をつけると香ばしさが増して、ぐっとおいしくなります」

――焦げ目をつけるのもおいしさのポイントなんですね
「そうなんです。水分が飛んだあとに少しだけ強火にして、表面をカリッと焼くと香ばしさがぐっと引き立ちます。焦げ目をつけることで肉のくさみも消え、味に深みが出るんですよ。
ほかにも、王道ですが“薄力粉をまぶす”方法もおすすめです。こうすると豚こま肉でも旨味が中にとどまり、粉自体の旨味も加わってよりおいしくなります。肉汁を閉じ込めてやわらかく仕上がるだけでなく、調味料もよくからむので味が決まりやすいんですよ」
「節約=我慢」じゃない。安いお肉を“ごちそう級”に
――節約食材をおいしく仕上げると、気持ちも変わりそうですね
「そうなんです。豚こま肉は価格が安い分、“おいしくない”と思われがちですが、ほぐして焼くだけで見た目も味も全然違います。同じ量の豚こま肉でも、そのまま焼くのとほぐしてから焼くのでは、見た目のボリューム感も変わってきます。
節約って、我慢ではなく“工夫して楽しむこと”なんです。安い食材をおいしく調理できるようになると、家計にも気持ちにも余裕が生まれますよ」

