左胸の下がチクチク痛い、左の胸下あたりがズキズキ痛む、など 胸の不調は要因によって痛み方が変わってきます。MedicalDOC監修医が考えられる病気と原因などを紹介します。
※この記事はMedical DOCにて『「左胸の下が痛む」原因はご存知ですか?医師が徹底解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
村上 友太(東京予防クリニック)
2011年福島県立医科大学医学部卒業。2013年福島県立医科大学脳神経外科学入局。星総合病院脳卒中センター長、福島県立医科大学脳神経外科学講座助教、青森新都市病院脳神経外科医長を歴任。2022年より東京予防クリニック院長として内科疾患や脳神経疾患、予防医療を中心に診療している。
脳神経外科専門医、脳卒中専門医、抗加齢医学専門医、健康経営エキスパートアドバイザー。
女性特有の「左胸下が痛い」症状の出やすい病気と原因
女性にとって胸の痛みや違和感は、無視できない症状です。何が原因なのか、治療できるのか、とても不安に感じますよね。ここでは症状の特徴別に、考えられる原因を紹介します。
左胸が張ったように痛む、腫れている感じがする症状
女性特有の胸の痛みの原因としては、乳房の痛み(乳房痛)があります。乳房痛には、乳房周囲の筋肉や骨(筋骨格系)の痛みや、乳腺の痛みに分けられます。筋骨格系の痛みでは運動時や深呼吸で、乳腺の痛みでは月経周期に合わせて痛みが変動します。痛み方はズキズキとした痛みから乳房が張ったような痛みまでさまざまです。
乳房痛の対処法としては、体に合ったブラジャーの着用を行い、ストレッチなどで筋肉のコリを取りましょう。また、コーヒーやコーラなどのカフェインを含む飲み物やその他の刺激物を避けることで軽減することもあるといわれています。
乳腺の痛みの代表的な疾患としては、乳腺症や乳腺炎があります。乳腺炎は30-50歳の女性に多い疾患で、ホルモンバランスの崩れによって起きます。生理前に痛みが強くなり、生理後には症状が和らぎます。特別な治療は不要で、痛みが強い場合には市販の痛み止めなどを使用してください。
乳腺炎は、乳汁のうっ滞や感染によっておこる乳腺の炎症で、授乳婦に多い疾患です。乳汁のうっ滞が原因の場合には、搾乳やマッサージによって改善しますが、感染が原因の場合には授乳をやめて抗生剤で治療する必要があります。授乳中の場合には、乳児への影響も懸念されるため、早めに産婦人科を受診してください。
左胸がチクチクと痛む症状
左胸がチクチクと痛み、あるいは、ときおり鋭い痛みが出たり、深呼吸で痛みが悪化したりとさまざまな形で症状が出現する場合は、胸痛症候群が考えられます。若年の女性や神経質な人に多く、検査などを行っても原因がよくわからない胸痛をさします。
この疾患概念の中には前述の肋間神経痛や心臓神経症などを含んでおり、症状が軽い、特徴的な症状が出ないことで診断に至らなかった良性疾患の総称です。
ストレスが原因となっていることが多く、ストレッチや入浴などを行い、リラックスをすることで徐々に症状が改善します。医療機関への受診は基本的に不要ですが、痛みが強い場合や悪化傾向の場合には、その他の疾患の可能性もあるため、循環器内科を受診してください。
すぐに病院へ行くべき「左胸下が痛い」症状
ここまで様々な症状を紹介しました。「痛みが落ち着いたし、病院は行かなくても大丈夫。」と思っていませんか?経過観察ももちろん大切ですが、放置してはいけない症状もあります。
ここでは無視してはいけない症状を紹介します。もし、これらの症状が見られる際には早めの受診をおすすめします。
痛みの位置が移動する鋭い胸痛の場合は、循環器内科へ。
痛みの位置が上方または下方に移動する、前胸部痛や背部痛がある場合には、急性大動脈解離の疑いがあるため、すぐに循環器内科を受診してください。
また、大動脈解離では突然の麻痺などの脳卒中様の症状が出現することもあります。大動脈解離が破裂にいたった場合には致死率も高いため、すぐに医療機関へ受診してください。

