「俺みたいなバカと一緒にいるよりも新しい良い人を見つけた方が幸せになれるよ」
楽しかったお盆休みから一転、深夜のリビングで夫から突き付けられた言葉に、私は絶句していた。そんな私の様子を気にかけることもなく、夫は続けた。
「さっき送ってきた心配のメッセージも、見てて可哀想になった。彩乃が家事・育児に縛られてて、可哀想……」
私の言葉選びも悪かったかもしれない。ただ、夫は私の本心からの心配のメッセージに同情を示し、またその口調から呆れさえ感じているようだった。暗に別れたいような言葉と呆れられたような態度に、頭が真っ白だった私も急に不安を覚えた。真っ先に浮かんだのはやはり、このお盆休み中も眩しい笑顔を見せていた子どもたちだった。
「……離婚、したいの?子どもたちのためにも、私は離婚したくないから」
不安で折れそうな心をなんとか保ちながら、私なりに毅然と夫に意思を伝えた。すると目の前の夫が、深く息を吸って意を決したような表情で再び口を開いた。
「もう、正直に言うけど女がいる。別れようとして連絡無視したら『遊ばれたって言いふらす』って言われて……。俺もどうしていいか分からない……」
突然告げられた、夫の不倫
この日、彩乃は子ども2人を連れ、久しぶりに友人との再会を楽しみました。ところが、帰宅しても夫の姿は見当たりません。何度メッセージを送っても、既読すらつかないまま…。深夜23時ころ、ようやく「今から帰る」と一言。
そして、帰宅するなり、夫に衝撃的なことを告げられます…。誰だって、不倫を告げられたうえに、離婚まで切り出されたら、動揺してしまいますよね。
このあと、夫婦で話し合いをし、「夫が不倫相手とうまく別れるまで待つ」という結論に至ります。夫はそそくさと寝室に向かいますが、彩乃は眠れぬ夜を過ごします。
そして、ガマンできずに夫のスマホをチェック。すると、写真フォルダーに夫と見覚えのある女性が2人で写っていたのです。なんと、相手は、娘が通う保育園の保育士だったのです…。
深夜に発覚した、夫の不倫相手
深夜のリビング。沈黙に私の鼻を啜る音だけが虚しく響き渡るも、その涙に寄り添う“誰か”はいなかった。
夫の不倫、しかも相手は子どもたちが通う保育園の先生……。その事実に衝撃を受けた上で、不倫相手をさもまともな様に扱って庇う夫の姿に、私はもはや怒りの矛先さえ見失っていた。
「彼女は何も悪くないし、俺は彼女が好きだ」
「あの子はそんな子じゃないよ。良い子なんだよ」
ヤケ酒を再開して記憶や感情を誤魔化そうとすればするほど、夫からの告白が思い起こされては一言一言が胸を鋭く突いてきた。痛みを誤魔化そうと、お酒を理由に結婚指輪を外して壁に投げつけたり、夫の写る写真を勢いよく伏せたりしてみた。けれど、荒っぽい行動をしている自分に嫌悪感を抱いては虚しさが募るばかりで、それがさらに涙を流させた。枯れ果てるほどの涙を流し、自暴自棄に当たり散らしたのに一向に眠ることはできなかった。
夫を問い詰めると、不倫相手を擁護するようなことばかり言います。身近な相手と不倫をした挙句、家族よりも彼女を大切だと言うなんて…。あまりにも身勝手な夫の言い分に、彩乃は絶望します。
彩乃は眠れないまま、朝を迎えます。いつもの笑顔で朝食を食べる子どもたちとは対照的に、夫婦の間には、重苦しい空気が流れていました。
彩乃はたまらず、子どものいないところで、「妻と不倫相手、どっちを取るの?」と聞きます。すると、夫は「不倫相手」と、答えたのです…。

