妻の深い悲しみと、激しい怒り
「分かった!ならもう、全部言ってくるね?保育園に言ってくるから!」
込み上げる涙を堪えながら、怒りに任せて吐きつけた言葉。必死の思いにも夫は依然としてこちらに目もくれず、ゆっくりコーヒーを口に運ぶ。そして深いため息をひとつ吐いて答える。
「バレる覚悟で浮気したから、いいよ。別に」
夫の目や声色が、私に対する鬱陶しさを滲ませていた。夫との熱量の違いにやるせなさが募った私は、力無く子どもを送りに保育園へと向かった。
「ねぇー、きょうはなんで、じてんしゃのらないのー?」
「えっ?……ママ今日ちょっと、歩きたい気分なんだ!」
夫から吐かれた冷たい言葉と態度に、私は心底疲れてしまった。
「……君と別れる」
ならいっそ、離婚してしまおうか……。そんな考えさえ頭を過った。でもそうしたら、今目の前のこの子たちはどうなるんだろう?淋しい思いはさせたくない。子どもたちには父親が必要。そのためなら、多少私が傷ついたって……。
ズキズキと痛む心は、子どもたちの幸せを願う気持ちと私の傷つきが葛藤した、複雑な感情で満ちていた。
長年連れ添った妻を、簡単に切り捨てようとする夫…。彩乃は、一夜にして「離婚したくない」という思いから「離婚したほうがいいのかも」と、ゆれ動きます。
なぜ、不倫をされた側がこれほどまでに傷つき、消耗しなければいけないのでしょう?夫は反省する素振りを見せず、「別れることができずに困っている」と、被害者ぶります。さらに、不倫相手を擁護する発言ばかり。これでは、夫婦としての信頼を完全にうしなってしまいますね…。
このあと、本作では妻側の大逆転劇が描かれています。不倫相手は、保育園を辞めたうえに、あっさりと夫と別れます。不倫相手に振られた夫は妻にすがりますが、妻は離婚をつきつけたのです。
母として、女性として、葛藤しながらも子どもと自身の幸せのため、強くあろうとする姿にエールを送りたくなる作品です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ももこ
(配信元: ママリ)

