これは、ベビーカー利用者とのちょっとしたトラブルが、思いがけず心に残る体験となった日の話です。今でもふとしたときに思い出す、忘れられない1日です。
エレベーターでの痛みとモヤモヤ
デパートで買い物をしていたときのこと。私はエレベーターに乗り込み、扉が閉まるのを待っていました。そこへベビーカーを押した女性が乗ってきました。
その瞬間、ベビーカーの車輪が私の足にゴンと当たりました。かなりの衝撃で、思わず息をのむほどの痛み。しかし、その女性はまったく気付く様子もなく、そのままベビーカーを前に押し続け、車輪は私の足に当たったまま動きません。
「これはさすがにひと言言わなければ」と思いながらも、周囲の静けさに気後れして、声を出せずにいました。
代わりに注意してくれた制服姿の女子
そのとき、近くにいた制服姿の女子高生が、はっきりとした口調で言いました。
「ねえ、さっきからずっと車輪、人の足に当たってるよ」
周囲が一瞬静まり返る中、その言葉はしっかりと響きました。女性はハッとしたように顔を上げ、「すみません……」と小さな声でつぶやき、次の階でエレベーターを降りていきました。

