白血病は血液のがんとして知られ、初期段階から身体にさまざまなサインが現れることがあります。異常な白血球の増加により正常な血液細胞の産生が妨げられると、疲労感や発熱といった全身症状が生じる可能性があります。これらの症状は日常生活に影響を及ぼすため、早期に気づくことが大切です。ここでは白血病の初期に見られる代表的な全身症状について、その特徴や注意すべきポイントを詳しく解説します。

監修医師:
山本 佳奈(ナビタスクリニック)
滋賀医科大学医学部卒業 / 南相馬市立総合病院や常磐病院(福島)を経て、ナビタスクリニック所属/ 専門は一般内科
白血病の初期に現れる全身症状
白血病の初期段階では、異常な白血球が増えることで正常な血液細胞の産生が妨げられ、全身にさまざまな症状が現れます。
疲労感と倦怠感の特徴
白血病の初期症状として多く報告されているのが、休息をとっても改善しにくい持続的な疲労感です。正常な赤血球が減少することで貧血が進行し、全身への酸素供給が不十分になる場合があります。この状態では階段の上り下りや軽い運動でも息切れを感じやすくなり、日常生活における活動量が自然と低下していくことがあります。
倦怠感は朝起きたときから感じられることが多く、十分な睡眠時間を確保しているにもかかわらず身体の重さや動きにくさが続く場合があります。通常の疲労と異なり、週末の休養や栄養補給では改善が見られにくい点が特徴的です。仕事や家事の効率が落ちたと感じる場合、単なる疲労ではなく血液疾患の可能性も考慮する必要があります。
貧血による疲労感は徐々に進行するため、患者さん自身が気づきにくい側面があります。周囲の方から「顔色が悪い」「以前より元気がない」と指摘されることで初めて自覚するケースも少なくありません。ただし、疲労感は貧血や感染症、ストレスなど他の原因でも起こり得るため、症状だけで白血病を判断することはできません。
発熱と感染症への抵抗力低下
特に急性白血病では、正常な白血球が減少し免疫機能が低下することがあります。慢性白血病では初期には症状が軽い場合もあり、進行とともに感染にかかりやすくなることがあります。その結果、37度台から38度台の微熱が数週間にわたって続く、あるいは繰り返し発熱する症状が見られることがあります。通常の風邪であれば数日で解熱するところ、白血病による発熱は抗生物質や解熱剤への反応が鈍く、長期化する傾向があるとされています。
免疫力の低下により、健康な方では問題にならない程度の細菌やウイルスでも感染症を引き起こしやすくなる可能性があります。口内炎が頻繁にできる、のどの痛みが続く、皮膚に小さな膿疱ができるなどの症状が現れることがあります。歯茎の腫れや出血を伴う歯肉炎も、白血病の初期症状として知られています。
感染症は肺炎や尿路感染症など重症化しやすく、通常よりも治癒に時間がかかる場合があります。発熱が2週間以上続く場合、あるいは頻繁に感染症を繰り返す場合は、血液内科での精密検査が推奨されます。
まとめ
白血病は早期発見と適切な治療により、寛解や長期生存が期待できる疾患となっています。疲労感、発熱、出血傾向などの症状が続く場合は、速やかに血液内科を受診することが重要です。ただし、これらの症状は他の疾患でも現れるため、過度に不安を感じる必要はありません。気になる症状が続く場合は、医療機関での相談をおすすめします。
定期的な健康診断を受け、血液検査の異常を見逃さないことも、早期発見につながる可能性があります。白血病について正しい知識を持ち、自身の身体の変化に注意を払うことで、適切なタイミングで医療機関を受診し、より良い治療成績を得ることが可能になる場合があります。
気になる症状がある場合や、リスク要因を持つ方は、定期的に医療機関で相談されることをおすすめします。
参考文献
厚生労働省「がん対策情報」
