「梅毒の感染経路」は性行為だけではない? 梅毒が増えている背景と感染を防ぐ方法とは

「梅毒の感染経路」は性行為だけではない? 梅毒が増えている背景と感染を防ぐ方法とは

梅毒は主に性的接触で感染しますが、オーラルセックスやアナルセックスなど、さまざまな経路で広がる可能性があります。さらに母子感染や血液を介した感染も報告されています。感染経路を正しく理解し、予防と定期検査を徹底することで、自分自身とパートナーの健康を守ることができます。

村上 知彦

監修医師:
村上 知彦(薬院ひ尿器科医院)

長崎大学医学部医学科 卒業 / 九州大学 泌尿器科 臨床助教を経て現在は医療法人 薬院ひ尿器科医院 勤務 / 専門は泌尿器科

梅毒の感染リスク

梅毒は主に性的接触を通じて感染しますが、接触の種類や部位によって感染リスクは異なります。感染経路を正しく理解することで、予防策の選択や早期発見につながります。本章では具体的な感染経路と感染しやすい状況を説明します。

性的接触による感染のメカニズム

梅毒トレポネーマは感染した方の病変部位に多数存在し、微細な皮膚や粘膜の傷から侵入します。膣性交だけでなく、オーラルセックスやアナルセックスでも感染が成立します。第1期の硬性下疳や第2期の扁平コンジローマ、粘膜斑は細菌を豊富に含むため、これらの病変と接触することで感染リスクが高まります。

コンドームは接触部位を物理的に遮断する効果がありますが、病変が陰嚢や会陰部、口腔など覆われない部位に存在する場合、完全な予防は困難です。無症状期間や潜伏期でも血液中に細菌が存在するため、症状がないからといって感染力がゼロになるわけではありません。

パートナーが複数いる場合や不特定多数との性的接触がある場合、感染機会は増加します。また感染した方本人が無症状のまま他者へ感染を広げる可能性があり、定期的な検査が感染拡大の防止に重要な役割を果たします。

母子感染と血液を介した感染経路

妊娠中の女性が梅毒に感染している場合、胎盤を通じて胎児へ細菌が移行します。この母子感染を「先天梅毒」と呼び、胎児の発育障害や死産、早産のリスクが高まります。出生後も骨や歯の形成異常、神経障害、肝脾腫など多彩な症状を引き起こす可能性があります。

妊娠初期の血液検査で梅毒が発見された場合、適切な治療により母子感染のリスクを大幅に低減できます。妊娠を希望する女性やパートナーは、妊娠前に検査を受けることが推奨されます。血液を介した感染経路としては、注射針の共用や輸血が挙げられます。

現在国内では献血時に梅毒検査が実施されており、輸血による感染リスクは極めて低い水準に管理されています。しかし薬物使用時の注射器共用は依然として感染経路となり得るため、注意が必要です。日常生活における握手や食器の共用、入浴などでは感染しませんが、病変部位からの分泌物に直接触れた場合には感染のリスクがあります。

参考文献

厚生労働省|性感染症

国立感染症研究所|梅毒とは

東京都感染症情報センター|梅毒の流行状況

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配信元: Medical DOC

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