モヤモヤする人々の本音は「上から目線に感じる」と「同行者」への疑問
この投稿に多くの人が反応したのは、エレベーター以外の手段で移動可能な利用者が抱く「譲歩したのに、感謝もされない」というモヤモヤを代弁したからです。
たとえルール上ベビーカーが優先されるべきであっても、親切を無にするような振る舞いは、「子連れに対して不快な感情を抱いてしまう」といったネガティブな感情を誘発します。
さらに、今回の事例のようにベビーカーを押す「親」だけでなく、「その同行者(ベビーカーを押していない親)」までエレベーターに乗る必要性があるのかという点についても、疑問の声が上がっています。
「ベビーカーを押す親は仕方ないとしても、もう一方はエスカレーターを使えないのか」「同行者がいるなら、荷物を持って先回りするなどの配慮があっても良いのではないか」
といった意見も散見され、この感情的な摩擦が、過去から繰り返されてきた「子連れ様」論争の根底にあるといえます。
子連れ側が訴える「現実の理不尽」とは
しかし、この批判に対し、子連れ側からは反発が寄せられています。彼らが訴えるのは、「安全な移動手段がエレベーター以外にない」という現実と、「優先ルールがあるのに守られていない日常」の理不尽さです。
「優先エレベーターはルールに基づきベビーカーが優先されて当然だ。なぜ子連れだけが『当然』と批判されなくてはならないのか」
「ベビーカーはエスカレーターに乗れない(事故リスクが高い)。優先エレベーターすら満員で乗れない現状を、他の利用者は意識しない」
報道によると、ベビーカー関連のエスカレーター事故が報告されており、ベビーカー利用者がエレベーターにこだわるのは、安全確保のための切実な理由があるのです。彼らにとって、「優先」はマナーではなく命と直結する「ルール」なのです。

