社交不安症の発症には、過去の失敗体験や性格、体質など、複数の関与が関与しています。診断は生活への影響や国際的な診断基準に基づいておこなわれます。今回は、「社交不安症」になりやすい人の性格・特徴や診断基準について「ペディ汐留こころとからだのクリニック」の近野先生に解説していただきました。

監修医師:
近野 祐介(アンジェロ三田クリニック)
信州大学医学部医学科卒業。その後、飯田市立病院、産業医科大学精神医学教室、門司松ヶ江病院などで勤務医として経験を積む。2023年、「ペディ汐留こころとからだのクリニック」副院長に就任。2025年1月に三田、田町に移転。アンジェロ三田クリニックに在籍中。日本精神神経学会精神科専門医、日本救急医学会救急科専門医。精神保健指定医。
編集部
なぜ、社交不安症になってしまうのですか?
近野先生
いくつかの要因となり得ることがあります。まず、失敗体験などの「環境的要因」です。例えば、過去に人前で話した際に失敗した経験のある人は、その後、人前で話すことに不安を覚えるでしょう。それが強く出てしまうと、結果的に極度の緊張状態に陥り、先述した症状が出てしまいます。
編集部
ほかには、どのような要因がありますか?
近野先生
もともとの体質や性格もあります。人前で話すのが苦手な人や周囲からどう思われているか気になってしまう人、「上手にできないと嫌われてしまう」「自分の仕事の評価が下がってしまう」などの精神的な重圧を感じやすい人などは、社交不安症を発症しやすい傾向にあります。
編集部
社交不安症は、どのように診断されるのですか?
近野先生
診断は「DSM」や「ICD」といった診断基準に則っておこなっています。難しい話は置いておくのであれば、「人前で話す」「食事をする」などに強い不安があり、そのせいで生活に支障をきたしていれば、多くの場合で社交不安症と診断しています。また、社交不安症の診断がつかない場合も、うつ病などのほかの病気が原因で社交不安症の症状を引き起こしているケースも多く見受けられます。
編集部
社交不安症は、社会不安障害や対人恐怖症とは異なるのですか?
近野先生
社交不安症と社会不安障害は、同じものを指す言葉です。一方、社交不安症と対人恐怖症は、似ている部分はとても多いのですが異なります。社交不安症では特定の状況(社交場面)に対して、過度の緊張や不安が生じますが、対人恐怖症では他人との関わり合いそのものに強い恐怖を覚えたり避けたりする傾向があります。対人恐怖症は、特に目を合わせることや直接話すことなど、人との直接的な交流に対して生じるのが特徴です。
※この記事はメディカルドックにて【社交不安症(社交不安障害・SAD・あがり症)の症状を医師が解説 治療法や原因・診断方法も紹介】と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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