期待される役割との大きな「ズレ」が生じた
日経の記事は、首相を「サナエ」と愛称で呼ぶなど、親しみを込めたトーンが特徴的でした。SNSではもちろん、この記事に好意的なコメントも多く寄せられています。しかし、一部からは「話題集めの記事ではないか」と受け取られ、真面目な経済紙が視聴率やクリックを狙っているという不信感が、批判に火をつけました。
実は、日経新聞は過去にも岸田総理や菅総理のスーツ、ネクタイの選び方などを分析する「リーダーの装い」といった連載記事を扱っており、首相の服装を報じること自体が異例ではありませんでした。
しかし、今回の高市首相の記事では、「サナエ流」「途中衣装替え」といった親愛の情を示すトーンや、具体的なブランド名、価格を強調する姿勢が目立ちました。これが、「いつも通り」の経済記事ではなく、「話題集めのために過剰に持ち上げている」という不信感を生み、批判に火をつけました。
最も深刻なのが、記事が配信された「タイミング」でしょう。
「米関税50%で株価急落中。生活苦なのに服特集?」国民が「上品なスーツ」よりも「上向きの給料」を求めている中で、13万円のバッグやファッションに焦点を当てた記事は、社会全体の切実なムードと大きく乖離してしまったのかもしれません。11月4日現在、米関税発動、外国人労働者急増、歴史的な円安といった問題が山積する中での「サナエ流」特集は、一部の人には、まるで国民生活を無視した「マリー・アントワネットのドレスショー」のように映ってしまったのかもしれません。
(LASISA編集部)

