
「その家の玄関先にいるのは、この世の人ではない人でした」というフレーズから始まる奇談。現役の郵便配達員たちが実際に体験した怪異を漫画化した『郵便屋が集めた奇談』のエピソードについて、この漫画を描いた現役郵便局員の送達ねこさん(@jinjanosandou)に話を聞いた。
■「除霊」を試みた配達員と、最強の母の愛




配達員がある一軒家へ配達に行くと、いつも同じ場所に長い黒髪の悪霊が立っていた。そこは以前、一家心中があった家だったという。凄惨な事件だったがあまり報道はされず、不動産屋が関係者を形だけ入居させたこともあり、新しく引っ越してきた夫婦は事情を知らなかった。
そのため霊感のある郵便局員には“よくないモノ”が視えていたが、新しい住人には視えていない様子。郵便局員は「視えない人たちでよかった…のか?」と悩み、ついにある行動に出る。その行動とは、庭先に「白い粉」をまき、住人に言わずになんとか除霊をしようとしたことだった。
その行動を知った読者からは「郵便屋さんの苦労が報われたね」という声が挙がった一方、「お母さんすごいし、強い」「家族は連れていかせない、と言ったときのお母さんの表情が、強くてすてきです」「郵便屋さんの努力<母の愛」と、配達員の努力を上回る母親の強さへの絶賛コメントが飛び交った。
■「白い粉」の誤解と、事故物件の知られざる現実
この話は、事故物件と知らずに転入してきた家族を心配した配達員・N局のカシマさんの体験談だ。
除霊のために塩をまいたことが上司に知られ、「白い粉を持ち歩いているそうだな」とあらぬ嫌疑をかけられたカシマさん。会社では防犯研修が行われており、変わった行動は報告される。「カシマさんも上司の聴取を受けましたが『霊がいまして』とは言えません。『交通安全で信心してるお守りです』と説明して納得してもらいました。ソーシャルな場では徹底して『相手が受け入れやすい話』をすることも」と、職場の現実を語った。
事故物件に住んでいる人は多いのか尋ねると、「家賃が相場より安くなっていたり、好奇心からむしろ事故物件にメリットを感じて住んでいる人もいるようです。検索できるサイトがありますが、載っていない、知られていない物件も少なくない」と話す。
以前、「夜寝ていると、枕元で外国語みたいのをしゃべる声がする」「押入れから、ため息が聞こえる」とお客さんから話を聞いた配達員がいたという。しばらくするとお客さんは転出。その後も、その部屋だけは居住者がつぎつぎと変わったそうだ。初めは気にしないけれど、あとから『やっぱり事故物件だったのか』となる例もあるようです」と、送達ねこさんは語った。
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