すぐに病院へ行くべき「急性心不全の前兆」
ここまでは急性心不全の前兆を紹介してきました。
以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
動くと息が苦しい症状の場合は、循環器内科へ
軽い運動や日常生活動作で息切れを感じる場合、急性心不全の可能性があります。特に、階段を上る、重い物を持つ、速歩きなどで息切れを感じる場合は注意が必要です。このような症状がある場合は、循環器内科への受診を検討してください。循環器内科では、心電図、エコー、血液検査などを通じて、心不全の診断と治療が行われます。ただし、息切れは肺や呼吸器系の疾患でも起こり得るため、必要に応じて呼吸器内科などの診察も必要になることがあります。
受診・予防の目安となる「急性心不全の前兆」のセルフチェック法
・動くと息が苦しい症状がある場合
・動くと胸が痛い症状がある場合
・水っぽい咳がずっと続いている症状がある場合
・手足の浮腫が悪くなっている場合
「急性心不全の前兆」についてよくある質問
ここまで急性心不全の前兆などを紹介しました。ここでは「急性心不全の前兆」についてよくある質問に、メディカルドック監修医がお答えします。
若い人の急性心不全の初期症状について教えてください。
丸山 潤(医師)
若い人の場合も息切れや脚の浮腫が主な初期症状です。特に運動後や横になった時に息苦しい時は急性心不全の可能性があります。若い人の場合、喘息発作でも似たような症状を自覚することがあるため、息苦しさを自覚した時は早めに医療機関を受診し適切な治療を受けましょう。まずは内科への受診をご検討ください。もし、症状が強い場合は救急外来を受診しましょう。
急性心不全の初期症状に腹痛はありますか?
丸山 潤(医師)
急性心不全の初期症状として腹痛が出現することはあります。例えば、心筋梗塞は「みぞおちの痛み」であり、それを「上腹部痛」と表現する方がいらっしゃいます。また、心筋梗塞は放散痛といって胸痛だけでなく顎・奥歯・肩・腹などに痛みが広がることもあり、その初期症状はさまざまです。その他、大動脈解離では腹部の血管が破裂した場合、腹痛や背部痛が出現します。腹痛が出現した時は、それがどんなタイミングで起きたのか、その痛みはどのくらいの強さで、痛い部分が移動するのかといった情報を集め、医師に伝えましょう。

