いつもの時間に帰ってこない娘。何かあったのでは!?
いつも子どもたちは3人バラバラの時間に家を出ていて、長男はいつも一番最後の遅刻ギリギリです。
しかし、そんな長男がめずらしく早起きしていました。
そして、「行ってきます!」と、3人で家を出ていったのです。
娘には「嫌なことされたら、すぐ先生に助けを求めてもいいし、帰ってきてもいい」とは伝えていましたが、内心気が気じゃありませんでした。
そうこうしているうちに、あっという間に娘が帰る時間になったのですが……。
娘が全く帰ってこないので、何かあったのでは!? と、A子さんは大慌て。
探しに行こうとしていると、長男から電話がありました。
「俺ら今全員一緒にいるから。コンビニ寄って帰るわ」
長男はこの時間は部活のはず。一体どういうこと?
ありがとうね。頼もしすぎるボディガードたちに、思わず涙
朝家を出た後、3人で作戦会議をしたそうです。
小学校では次男が守るということ、そして放課後は長男が「俺が走って迎えに行くから、次男と学校で待ってろ」とのことでした。
放課後先生の目の届かない所で嫌がらせをされないようにと、長男なりに考えて出した案でした。
兄弟2人のボディーガードとしての行動とは別に、いじめはすぐに終息に向かいました。学校や家族の継続的な見守りに加え、加害者側の環境変化など、様々な要因が重なった結果だと考えています。
兄弟のやり方は極端で、最悪相手に危害を加えかねない思想でもありました。
なので、そこは親としてキチンと注意しました。
それでも、妹を思う気持ちは痛いほど伝わってきましたし、家族のために戦おうとする姿勢は心から感動的で、良い兄弟に育ってくれたと思うのです。
普段反抗期の長男と、生意気になってきた次男。
そんな2人が力を合わせて、娘を守ろうと動いてくれたことには、思わず涙が出そうになったのでした。
【体験者:40代・女性OL、回答時期:2025年9月】
※本記事は、執筆ライターが取材した実話です。ライターがヒアリングした内容となっており、取材対象者の個人が特定されないよう固有名詞などに変更を加えながら構成しています。
FTNコラムニスト:Yuki.K
飲み歩きが趣味の元キャバ嬢。そのキャリアで培った人間観察力でコラムを執筆中。すっと人の懐に入ることができる天然人たらしが武器。そのせいか、人から重い話を打ち明けられやすい。キャバクラ勤務後は、医療従事者として活躍していたが出産を機に退職。現在はこれまでの経験で得た人間関係を取材に生かし、主に女性の人生の機微を記事にするママライター。

