困りごと~自分で見つけられるものの、物をよく紛失する~
MCIになり記憶力が低下すると、物をどこに置いたか忘れ、失くしてしまうことが多くなります。ただ、自分で見つけることはできるので、一見すると生活に大きな支障をきたすことはないように思えます。
しかし、この状態が日常化すると、家族が紛失への対応に手間取る場面が増えてきます。お互いの関係がギクシャクし、双方が強いストレスを感じてしまう場合があります。
物をよく紛失するときの対処法
紛失が多いからと怒ったり責めたりしてはいけません。本人にも「失敗した」という自覚はあります。頭ごなしに怒られると自信を喪失し、周囲への猜疑心がより大きくなってしまうことがあります。
「紛失がよく起こる」ことに目を向けて対処しましょう。たとえば、よく使う物は置き場を決め、目印を付けておいたり、家族全員で「使った後は決まった置き場に戻したか?」その都度確認しあう習慣をつけるなどの対策が効果的です。
大切なのは本人だけでなく、家族全員で取り組むことです。「紛失を防ぐための家族全員の決め事」にすることで、本人の自尊心を傷つけることもありません。また万が一本人が家族に疑いの目を向けても、「いつ使ったのか?」「置き場に戻したか?」など、「一緒に探そう」と促す会話を切り出しやすく、言い争いに発展しにくい利点もあります。
MCIを理解すれば、小さな工夫で困りごとは対処できる
MCIと診断されると、本人はとても強い不安を感じるといわれています。さまざまな困りごとも出てきますが、その中には家族がMCIの人の視点に立ち、関わり方を工夫するだけで解消できるものが多くあります。ここで挙げた2つの困りごとは、MCIについて理解し、コミュニケーションや生活習慣におけるちょっとした工夫をすれば、困りごとは減らせるという事例です。身近な人と本人の双方でMCIについての理解を深め、個々に合わせた工夫をしながら困りごとに対処していきましょう。
参考文献
(1)深津 亮ら: 老年精神医学雑誌.2014; 25(8): 845-853.
※提供元:テヲトル「軽度認知障害(MCI)の困りごとへの対策」
https://theotol.soudan-e65.com/basic/mci/progress_symptom

