採血後に筋肉痛のような痛みがあるときの治し方は?メディカルドック監修医が対処法や考えられる原因や病気、何科へ受診すべきかなどを解説します。

監修医師:
木村 香菜(医師)
名古屋大学医学部卒業。初期臨床研修修了後、大学病院や、がんセンターなどで放射線科一般・治療分野で勤務。その後、行政機関で、感染症対策等主査としても勤務。その際には、新型コロナウイルス感染症にも対応。現在は、主に健診クリニックで、人間ドックや健康診断の診察や説明、生活習慣指導を担当している。また放射線治療医として、がん治療にも携わっている。放射線治療専門医、日本医師会認定産業医。
採血後に筋肉痛のような痛みがある症状で考えられる病気と対処法
血液を採取する検査、つまり採血は、さまざまな情報を得ることができる有用なものです。健康診断や、何らかの症状がある場合に医療機関で行われます。
静脈からの採血が一般的であり、行われる回数も多いです。そのため、きわめて発生する確率は低いものの、一定の頻度で合併症が生じます。
今回の記事では、採血の後に筋肉痛のような痛みがある場合に考えられる原因について解説します。
採血後に筋肉痛のような痛みがある症状で考えられる原因と治し方
採血を行った際、その部位に一致した強い痛みが起こる場合があります。これは、穿刺部痛(せんしぶつう)と呼ばれています。針を刺した部位の炎症や、その傷が治った後に瘢痕(はんこん)によって周辺の組織にひきつりが生じることで起こります。
また、針を刺した部位に電気が走るような痛みや痺れが生じることもあり、神経損傷の可能性があります。細い神経である皮神経損傷の場合、2〜4週間ほどで症状は改善しますが、まれに回復までに2ヶ月程度要することもあります。
採血後に筋肉痛のような痛みなどがある場合は、医療機関のスタッフにすぐに報告しましょう。神経損傷の場合でも、安静にしておくことが対応法となりますが、しびれや感覚異常が続く場合、腫れや赤み、熱感などが強まる場合には、採血を行った医療機関に相談しましょう。その後必要であれば整形外科や神経内科、ペインクリニックなど適切な科を紹介されると考えられます。
採血後に筋肉痛のような痛みがあって治らない症状で考えられる原因と対処法
採血を行ってからしばらくたっても痛みが続く場合は、神経損傷や神経障害、感染症などの可能性があります。
神経障害は、針を刺した部位が治る過程でできた組織の瘢痕や、皮下出血後の血腫による神経の圧迫が原因となります。腕を伸ばした際などにしびれや痛みが生じ、まれに運動障害や知覚障害もきたすことがあります。
また、針を刺した部位から皮膚の常在菌などが侵入し、感染症を引き起こすこともあります。
痛みが長引く場合や、皮膚の赤みや熱感を伴う場合には、整形外科や神経内科などの受診が必要となります。こちらも、可能であれば一度採血を行った医療機関などに、対応について問い合わせるとよいでしょう。
採血後に内出血・青あざと筋肉痛のような痛みがある症状で考えられる原因と治し方
採血後に内出血や青あざがあるような場合は、皮下出血の可能性があります。
多くの場合は特に何もしなくても改善します。しかし、大きな皮下出血ができてしまう場合には筋肉や神経を圧迫してしまうコンパートメント症候群にまで至ることもまれにあります。
青あざが広がる、痛みが増す、熱感があるような場合には、一度医療機関での診察を要します。また、高度な場合には、血腫の除去が必要となるケースもあります。
採血後の痛みや合併症を予防することはできる?
採血をされる側の方ができる採血後の合併症の予防法としては、採血後5分間は確実に止血する、つまり適度な圧で圧迫することがあります。
また、採血による迷走神経反射が起こりやすい方は、事前に水分を適切に摂っておくことも大切です。また、リラックスし、仰向けで採血をしてもらうことも対応方法としてあげられます。
神経損傷や神経障害に関しては、受診者側で予防することは難しいと考えられます。もし痺れや麻痺などの症状があれば、医療機関のスタッフにすぐに報告するようにしましょう。

