「べっこう猫」とは?
結論を先に述べると、「べっこう猫」は、サビ猫の仲間です。
両者の違いの見極め方は、赤茶色(オレンジ色)の占める割合にあります。赤茶色の毛が多いと「べっこう猫」、黒毛がちだとサビ猫と分類されます。
「べっこう猫」のべっこうとは「鼈甲」と記し、ウミガメの一種・タイマイの甲羅のことです。古くからかんざしなどの原材料として使われてきました(1992年のワシントン条約により貿易禁止。現在は、それ以前に輸入したものを元に製品化)。
赤茶色寄りのサビ猫が「べっこう猫」と呼ばれるのは、日差しを受けると、「鼈甲」のように輝いているように見えるからです。英語では、サビ猫も含めて「Tortoiseshell cat(べっこう猫)」と表現されています。
ちなみに、サビ猫には、縞模様が目立つものや黒っぽいもの、三毛猫っぽいもの、さらに「麦わら猫」(色が薄い)などの被毛パターンがあります
1.被毛パターンがオンリーワン
サビ猫もそうですが、「べっこう猫」の魅力のひとつは、オンリーワンな毛柄にあります。
黒や赤茶色(オレンジ)といった毛色が織りなす斑模様は、世界に二つとないデザインです。
しかも、黒毛の多いサビ猫と異なり、「べっこう猫」は赤茶色の毛の比率が高いので、光の当たり具合によって、さまざまに表情を変えます。
たとえば、日陰にいるときと、窓辺にいるときとでは、印象がまったく違います。普段から見慣れているはずの飼い主さんも飽きないほどです。
「べっこう猫」は、遺伝上の関係で、ほとんどが雌です。三毛猫と同じで、雄が生まれる確率はかなり低いとされています。
そういう意味でも、「べっこう猫」は、猫の被毛パターンの奥深さ、不思議さを端的に示す見本と言えるかもしれません。

