協会による厳格な検査を得て認定
パルミジャーノ・レッジャーノは、世界で最も歴史あるチーズのひとつであり、その起源は約1,000年前、修道士たちが牛乳を長期保存する方法を考案したことに遡る。このチーズは、イタリアの特定地域―パルマ、レッジョ・エミリア、モデナ、マントヴァのポー川右岸、ボローニャのレノ川左岸(総面積約1万平方キロメートル)―でのみ生産。また、パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会による厳格な検査を経て認定された製品だけが、「パルミジャーノ・レッジャーノ」の名称を冠することが許されている。
熟成期間は最短12か月から最長60か月以上にもおよび、使用される牛の品種や熟成期間によって、多彩な風味が生まれ、その味わいは、豊かなうま味とナッツのような香ばしさが特徴で、熟成が進むほどに深みと複雑さが増す。原材料は、生乳・食塩・レンネット(凝乳酵素)のみで添加物や人工培養菌の使用は一切認められていない。また製造から熟成、包装、粉砕に至るまで、すべての工程がこの指定地域内で行われている。乳牛は主に地元産の牧草や干し草を飼料とし、シレージ(発酵飼料)の使用は厳しく禁止されている。年間約16万3,000トンのパルミジャーノ・レッジャーノが生産され、そのうち約7万2,000トンが世界各国へ輸出されている。
パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズ協会(Consorzio del Formaggio Parmigiano Reggiano)は、1934年に設立された保護団体であり、パルミジャーノ・レッジャーノを生産する291のチーズ工房すべてが加盟している。協会では、生産地域内の地元酪農家から集めた生乳のみを使用し、すべての製造工程が、PDO(原産地名称保護制度)の規定に厳密に従って行われることを保証している。同協会は、パルミジャーノ・レッジャーノの品質保護・ブランド価値の向上・普及促進に取り組むとともに、世界に向けてその伝統と魅力の理解を深める活動を続けている。
今回のイベントは、9月の大阪万博での盛り上がりを受けて、日本市場でのパルミジャーノ・レッジャーノのブランド認知をさらに高めるための重要な施策の一環。今後も、伝統あるクラフツマンシップと地域貢献の精神を伝える活動を通じて、パルミジャーノ・レッジャーノの魅力を日本中に広めていく予定とのことだ。パルミジャーノ・レッジャーノやパルミジャーノ・レッジャーノを使ったレシピを試してみては。
(熊田明日良)
