光も見事に表現
編集長が食べたのは、観音埼灯台と室戸岬灯台。

日本初の西洋式灯台として建てられた観音埼灯台は、燈の守り人のキャラクターのカラーも取り入れつつ、中にはバタフライピーのゼリーやブルーキュラソーのゼリーが入っており、西洋らしく華やかな雰囲気のパフェに仕上がっている。トップには、灯台の特徴である八角形の形をしたクッキーと灯台から放たれる光をイメージしたパイナップルが乗っている。
とにかくキラキラした見た目の通り、味わいもしゃれている。下層の淡いゼリーたちは光が揺らめく波の概念を食べているような心地。トップのパイナップルやキウイの下のスポンジケーキとホイップクリームは濃厚な甘さで、重厚な歴史を感じさせた。

四国の最東端にある室戸岬灯台は、日本最大級のレンズを持っているのが特徴。そこで、パフェでは真ん中に乗せたイチゴを大きなレンズに見立て、そこから放たれる光をスライスオレンジや室戸の特産品でもあるびわを使ったアイスの色で表現している。また、このパフェはほかのパフェと違い濃厚な純生クリームも使用している。
この生クリームがとてもおいしい! たっぷり入っているのにくどくなく、飽きずに食べられる。フルーツや下層のアイスやソース、カスタードとどんどん混ざって味わいが変わっていくのも面白い。他のパフェと比べて器が広いぶん、安心してスプーンを突っ込むことができたのも、室戸岬灯台ならではの〝どっしり感〟かもしれない。

この「『旅する灯台パフェ』展」は、日本に約3000ある灯台の歴史的価値に注目し、灯台を中心に地域の海の記憶を掘り起こそうとする日本財団の「海と灯台プロジェクト」の一環。同プロジェクトを運営する一般社団法人海洋文化創造フォーラムが開催するイベントだ。
取材に応じた「『旅する灯台パフェ』展」担当者いわく、これまでも各地域、期間限定で「灯台パフェ」なるものを出したことはあるが、今回はこのイベントに合わせて灯台パフェを定義する3つのポイントを設けたそう。
灯台のレンズに見立てたきらりと光る素材を添える「レンズデコレーション」。
灯ろうの形状を具材で表現する「こんもりとしたヤマ」。
そして、灯台に似た形のグラスを用意し、材料を層状に盛り付ける「灯台型グラス」である。

これを守った「灯台パフェ」の展開を、これからも広げていきたいと担当者は意気込む。
「なかなか現地に行けないという人も、パフェや『燈の守り人』などを通じて興味を持ってもらい、いずれは現地にも足を運んでもらえたらうれしいです」(担当者)

「旅する灯台パフェ」展は、8日まで開催。予約は各日2日前の午前10時まで。予約なしでも注文は可能だが、人気のパフェは完売の可能性もあるため、予約がおすすめだ。
