しつけに必要なのは「ダメ」よりも「どうしてほしいか」

しつけというと「ダメ!」「やめて!」と制止することに意識が向きがちですが、それだけでは犬は本当に理解できません。
犬は「禁止された行動」ではなく「してほしい行動」を教わることで、自信を持って動けるようになるのです。
たとえば、飛びつき癖のある犬に「ダメ!」と何度も叱っても、犬は「飛びついてはいけない」ことよりも、「構ってもらえた!」という印象を強く持ってしまうこともあります。これは、行動の目的(注目を引く)に飼い主が反応してしまっているからです。
代わりに「飛びつかずにおすわりをしたら撫でてもらえる」というルールを教えると、犬は「こうすればいいんだ」と納得し、落ち着いた行動が定着していきます。これは、すべてのしつけに共通しています。「吠えたら叱る」ではなく、「静かにできたら褒める」。「噛んだら怒る」ではなく、「噛まずに遊べたらご褒美」。
つまり、犬には「禁止」よりも「成功体験」が必要なのです。うまくできたときに褒めてもらうことで、犬は「これは正しい」と理解し、自信と安心感を持って行動できるようになります。
しつけは罰ではなく、愛情とルールを伝えるためのコミュニケーション。「ダメ」だけで終わらせず、「こうしてくれるとうれしいよ」というメッセージを、ぜひ伝えてあげてください。
まとめ

犬にとっての「しつけ」とは、飼い主との信頼を深める大切なコミュニケーションです。叱るよりも、褒めること。強制よりも、理解を促すこと。
そして何より、「この人と一緒にいたい」と思える関係性を築くことが、しつけの基本です。「つい怒ってしまった…」という日があっても大丈夫。今日から少しずつ、愛犬に伝わる関わり方を意識していきましょう。

