ヨガの“無理なポーズ”が脳梗塞招く!? 専門医「後頭部に激しい痛みがある場合は注意」と呼び掛けるワケ

ヨガの“無理なポーズ”が脳梗塞招く!? 専門医「後頭部に激しい痛みがある場合は注意」と呼び掛けるワケ

医療機関に行く際の対処法

 突然の激しい頭痛、激しいめまいと吐き気、首の後ろの痛みなど椎骨動脈解離が疑われる症状の場合、自身でできる最も重要な対処は次の2点です。

(1)すぐに救急車(119番)を呼ぶ
症状が激しい場合は、一刻を争う事態である可能性があるため、迷わず救急車を呼んでください。救急隊員に、「首を無理な姿勢にしたり、ひねったりした後から症状が出た」など、状況を詳しく伝えてください。

(2)安静を保つ
できる限り横になるなどして、体を動かさず安静にしてください。首に負担をかけないよう、首をひねったり、急に動かしたりすることは絶対に避けてください。安静にすることで、血管への負担を減らし、病状の悪化を防ぐことが期待できます。

自己判断で症状を軽視したり、医療機関の受診を遅らせたりすることは大変危険です。

■椎骨動脈解離の一般的な治療
椎骨動脈解離と診断された場合の治療方針は、解離の程度、合併症(脳梗塞やくも膜下出血)の有無、患者の全身状態などによって異なります。

(1)保存的治療(主に薬物療法と安静療法)
軽度の場合や、出血や広範囲の梗塞がない場合にまず行われることが多い治療法です。

・薬物療法
アスピリン、クロピドグレルなどの抗血小板薬やヘパリン、ワルファリンといった抗凝固薬は血栓(血の塊)ができて脳梗塞になるのを予防するために使用されます。ただし、出血のリスクもあるため、医師の判断で選択されます。

高血圧がある場合、血管への負担を減らすために降圧薬を使い、血圧をコントロールします。また、激しい頭痛などの症状を和らげるために鎮痛薬が使用されます。

・安静療法
入院して安静を保ち、血管の自然修復を促します。通常2~4週間程度の入院が必要になることがあります。

(2)外科的治療(手術)
主に、くも膜下出血を発症した場合や、薬物療法では病変の進行が抑えられない場合などに行われます。

・血管内手術
カテーテルという細い管を使って、解離した部分にコイルを詰めたり、ステント(金属の支え)を入れたりして、血管を閉塞・補強する治療です。

・開頭手術
頭蓋骨を開けて行う手術です。病変部を直接処置したり、必要に応じてバイパス手術(迂回路を作る手術)を行ってから病変部を閉塞したりすることがあります。

椎骨動脈解離は、治療法や治癒の基準が完全に確立されているわけではなく、医師によっても治療方針が分かれることがあります。そのため、専門医とよく相談し、ご自身の状態に合った治療を選択することが重要です。もし、椎骨動脈解離の症状が疑われる場合は、直ちに医療機関を受診してください。

配信元: オトナンサー

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