なぜアフリカとの連携が不可欠なのか
保富氏は、ワクチン開発にはアフリカとの協力が不可欠だと強調します。
「HIVは常に変異を続けています。アフリカで流行しているウイルス株の最新情報がなければ、効果的なワクチンは作れません。また、臨床試験をおこなうには、現地の医療機関や研究者、そして何より地域社会の協力が必要です」
コーネリッセン教授も同意します。
「ワクチン開発は、先進国が一方的におこなうものではありません。アフリカの研究者も参画し、現地のニーズに合った開発を進めることが重要です。これは科学的にも倫理的にも正しいアプローチです」
文化と宗教の壁 – 行動変容の難しさ
医学的な解決策だけでは、HIV/AIDS問題は解決しません。コーネリッセン教授は、社会文化的な要因の重要性を指摘します。
「多くのアフリカ社会では、性について語ることがタブー視されています。宗教的信念が、コンドーム使用や性教育の普及を妨げることもあります」
また、ジェンダーの不平等も大きな課題です。
「女性は性的な交渉において弱い立場に置かれがちです。経済的に男性に依存せざるを得ない状況では、安全な性行為を求めることも困難です」

