【東大阪】京丹後の風、布施に吹く。【丹後のさと】

季節の入口に立つ

訪れたのは9月のはじめ。手書きのメニューには、「鱧(はも)の湯引き」の文字が並んでいた。

「今週の鱧、いいの入りましたよ」

ご主人の骨切りが施された鱧は、ふんわりとして、舌の上でほどけるよう。秋の風を運ぶ土瓶蒸しも、この週からメニューに加わった。

料理は週替わり。旬の食材と向き合い、無理をせず、そのときいちばん美味しいものを提供する。だからこそ常連さんたちは、「今週は何があるかな」と通ってくる。

まるで、四季の変わり目をこの店で確認するように。

京丹後の記憶とともに

「丹後のさと」という店名が指すのは、ご主人の故郷・京都府京丹後市。

料理にもそのルーツが色濃く反映されている。米は、京丹後の契約農家から直接仕入れるコシヒカリ。噛めば噛むほど、甘みが広がる。

名物のひとつは「へしこ」。脂ののった鯖を糠漬けにした、北近畿の発酵食文化を象徴する一品だ。

「へしこって、塩辛いだけと思われがちですけど、うちのは違うんです」ご主人自らが選んだへしこは、深い旨味とともにやさしい酸味が立ち、酒のあてにぴったり。

もちろん、酒も京丹後から。冷蔵庫には常時12〜15種の日本酒が揃う。お猪口に注がれた酒が、なみなみと溢れることも。そんなとき、奥さんは笑って「ごめんなさい」と、ちょっとだけ慌てる。それもまた、この店の味のひとつ。

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