
11月5日に初回一挙4話が配信された韓国ドラマ「捏造(ねつぞう)された都市」で主演を務める俳優チ・チャンウク。ミュージカル俳優としてキャリアをスタートさせ、「ヒーラー~最高の恋人~」(2014-2015年)や「あやしいパートナー~Destiny Lovers~」(2017年)といったロマンス作品で“キス職人”、“アジアの貴公子”とファンをとりこにする一方、近年は「最悪の悪」(2023年)、「江南Bサイド」(2024年)などハードな役柄で職人技のアクションを披露している。最新作ではカーアクションやバイクアクションまで…。多方面に領域を広げ続ける韓ドラ界きってのオールラウンダー・チャンウクの魅力に迫る。
■抜群のロマンス演技で“キス職人”と呼ばれ…
演劇映画科で演技を学んでいた大学時代にミュージカル俳優としてデビューしたチャンウク。23歳のとき、全159話の国民的ドラマ「笑ってトンへ」(2010-2011年)の主演に抜てき。主人公・トンへの家族愛とロマンスを描いた同作は韓国で瞬間最高視聴率51.4%の大ヒットを記録し、チャンウクもスター俳優に躍進した。
その後はパク・ミニョンとの共演作「ヒーラー~最高の恋人~」や少女時代のユナがヒロインを務めた「THE K2~キミだけを守りたい~」(2016年)、ナム・ジヒョンとのキュートな恋模様が好評を博した「あやしいパートナー~Destiny Lovers~」、実年齢12歳差のキム・ユジョンと息を合わせた「コンビニのセッピョル」(2020年)…とロマンス作品に次々と主演。パク・ミニョンとの“目隠しキス”やナム・ジヒョンとの“おやすみキス”など、印象的でドラマチックなキスシーンを多数演じ、“キス職人”がチャンウクの代名詞となった。
キスシーンについては、2023年にYouTubeバラエティー「サロンドリップ」に出演した際「スキンシップのレベルが高いキスシーンほど事前に呼吸を合わせます」と照れながら明かし、「ある意味、アクションシーンよりもっと難しいかもしれません」とも打ち明けた。Instagramフォロワー2778万人を誇る大スターとは思えない、素直で飾らない人柄も、チャンウクが愛される理由だ。
■「最悪の悪」「江南Bサイド」…裏社会を描くハードな作品で新境地
そんな“アジアの貴公子”時代を経て、近年はアクションさえわたるハードな作品が続いている。
2023年のドラマ「最悪の悪」で演じたのは、麻薬カルテルに潜入捜査する刑事パク・ジュンモ。反社会組織の一員として鮮血飛び散るバイオレンスアクションにも挑み、新境地を開いた。同作のアクション監督クォン・ジフン氏はチャンウクについて「俳優として貫禄があり、体の使い方がよく分かっている」「フィジカルもテクニックも際立っている」「(現場でチャンウクに)したいようにやってくれたらそれに合わせる、と伝えました」とコメント。その言葉からもチャンウクに全幅の信頼を置いていたことが分かる。

■江南を牛耳るブローカー役も話題に
その他にも強烈な狂犬ぶりが話題を集めた映画「リボルバー」(2024年)や、ひげを蓄えた高句麗の王コ・ナンムをカリスマのオーラたっぷりに演じた10年ぶりの時代劇「于氏王后」(2024年)でも新境地を開拓した。
「江南Bサイド」(2024年)で演じたのは、江南を牛耳るブローカー、ユン・ギルホ。ギルホが、失踪したクラブのエース・ジェヒ(キム・ヒョンソ)を巡る危険な追跡ゲームに身を投じていくというストーリーで、チャンウクは裏社会で生きる男の悲哀を表現した。
けんかっ早く、サングラスの奥からのぞく三白眼がいかにもダークなギルホについて、チャンウクは自身の公式サイトで掲載されたインタビューで「ギルホが悪い奴らを痛快に懲らしめたときの快感が重要でした。ユン・ギルホという人物自体が荒々しい人生を生きているという表現をしたかった。そこでいつも顔に傷をつけるなどで表現しました」と語っている。

■最新作「捏造された都市」は多彩なアクションも見どころ
最新作「捏造された都市」でも、チャンウクの圧巻のアクションがさえわたる。演じるのは、ごく平凡で善良な男パク・テジュン。家族と友人に支えられながら夢に向かって進んでいたテジュンはある日、携帯電話を拾ったことで身に覚えのない凶悪犯罪の濡れぎぬを着せられ、冤罪(えんざい)で終身刑に。絶望するテジュンだが、やがて「必ず犯人を突き止め、償わせる」と決意。EXOのD.O.ことド・ギョンス演じる黒幕アン・ヨハンと対峙(たいじ)する。
日常から突然人生のどん底に突き落とされるテジュンを演じるにあたり、同ドラマの会見では「今回は魅力的な人物を作るというよりは、ある状況に陥っている“感情”を表現することが一番の課題でした」と語ったチャンウク。カーチェイスやバイクでのアクション、爆発シーンなど「すごく多様なアクションが出てくるので楽しかったです。アクションのコンセプトもステージごとに変わるといいなと思い、アクションチームとの会議をたくさんしました」とも語っており、アクション面でも新たな一面が見られそうだ。
人気ドラマ「復讐代行人~模範タクシー~」(2021年ほか)シリーズで知られ、「捏造された都市」も手掛けた脚本家オ・サンホ氏も「“チ・チャンウク”というジャンルだと言われる日が来るんじゃないか?と思います」とコメントする仕上がり。今作でも、チャンウクは圧倒的なアクションと鮮烈な感情演技で見る者を新たな境地へといざなってくれそうだ。
現在38歳のチャンウク。11月4日に公開されたYouTubeバラエティー「清渓山デンイレコーズ」では、ホストのチョ・ジョンソクに「結婚について考える?」と聞かれ、「今のところ考えたことはないですね。“時が来たらするんじゃないかな”くらいで…」と語っており、しばらくは“仕事が恋人”のようだ。デビュー15年を超えた今も作品ごとに新たな魅力を見せてくれるチャンウク。最新作では彼の新たな挑戦を目撃することになりそうだ。
「捏造された都市」(全12話)は毎週水曜にディズニープラスのスターで2話ずつ配信中。
◆文=ザテレビジョンドラマ部

