上品で華やかなママ友。その“完璧”な印象の裏側には、意外な日常と等身大の想いが隠れていました。筆者の友人・直子さん(仮名)が語る、心の距離がグッと縮まった“ある訪問日の出来事”とは。
憧れの若女将ママ
直子さんの息子が通う小学校に、一際目を引くママがいました。
老舗和装問屋の“若女将”で、身だしなみはいつもきちんと。
上質なバッグをさりげなく持ちこなす姿に、つい見惚れてしまったそうです。
そんな憧れのママ友から
「今度うちに遊びにおいでよ」
と声をかけてもらい、息子が初めてひとりでお邪魔することに。
はじめてのお宅訪問で
夕方、いつもの帰宅時間に電話が鳴りました。
「ママ、タツキ(仮名)んちでカレー食べていい? タツキのママ(若女将)が食べていきなって」
「せっかくだから夕飯もどうぞ」と誘ってもらい、直子さんも手土産を持って、19時半に迎えに行くことになりました。
門をくぐるとき、直子さんはすこし背筋を伸ばしたそうです。
「手土産、これでよかったよね」
憧れのママ友の暮らしを見られる緊張と、楽しみが入り混じっていたのです。

