東京の季節感=消費社会が作り上げた幻影? 札幌在住・元TBSアナが「帰ってきてよかった」と思う瞬間とは

東京の季節感=消費社会が作り上げた幻影? 札幌在住・元TBSアナが「帰ってきてよかった」と思う瞬間とは

リアルな肌感覚での季節感

アンヌ遙香さん 東京で暮らしていたときは、全国チェーンコンビニの「おせちの宣伝」や、街中の飲食店の装飾等で季節の移ろいを感じていたものでしたが、それは見方を変えれば「消費社会が作りあげた季節感の幻影」であるとも言えました。表現を変えれば「人工的につくられた季節感」であったような……。

 北海道に帰ってきて、セコマのCMが胸にしみるのみならず、

「雪が根雪になる前に(雪が本格的に積もる前にということ)タイヤを冬用に変えないとね、予約とれた?」とか、「朝もう耳が痛いわ(風が冷たすぎるため)」とか、「今年は冬用の靴どこの買うの?」とか、リアルな肌感覚での季節感がここにはあるのです。

 四季の移ろいを、流れている空気そのものでしっかり感じながら生活ができるようになったのは、北海道に戻ってきたことで得られた大きな財産であると感じています。

その地域に住む人同士の、目に見えないつながり

アンヌ遙香さん さらに、北海道に帰ってきて北海道日本ハムファイターズの熱狂的ファンになった私ですが、つくづく、野球と地方との親和性を感じます。野球そのものがただのスポーツではなく、地域振興を担っており、その地域の生活者の日常を彩ってくれる大きな存在になっているのです。

 仕事帰りに球場にかけつけて声をからして応援。地元テレビ・ラジオ局のアナウンサーは「中立な立場」を捨て、あくまでもファイターズを応援するという立場で絶叫実況します。

 読売新聞や朝日新聞のスポーツ面でファイターズが取り上げられることはなかなかなくとも、北海道新聞のスポーツ面ではでかでかとフルカラーで記事がしっかり掲載されている。

 東京で暮らしているときには感じられなかった「その地域に住む人同士の、目に見えないつながり」がしっかりあるのです。

 北海道の人は北海道のことが大好きだよね、とよく言われます。はい、そういう人が多いかも。でもそれにはきちんと理由があるんだよねと改めて感じている今日この頃。とても人間らしい営みがここにはあると私は感じています。ここでの生活、愛してやみません。

<文/アンヌ遙香>

【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram: @aromatherapyanne



配信元: 女子SPA!

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