【管理栄養士が解説】「月見バーガー」トロ〜リ半熟は「ニセ卵」? ファストフード3社「加工卵」のメリット・デメリット

【管理栄養士が解説】「月見バーガー」トロ〜リ半熟は「ニセ卵」? ファストフード3社「加工卵」のメリット・デメリット

秋の風物詩としてファストフード各社から販売される「月見バーガー」。「卵」が欠かせないメニューですが、生卵ではなく人工的に作られた「加工卵」が使われている商品もあるんだとか。そこで、今回は管理栄養士の猪坂みなみ先生に「加工卵」について、くわしく解説してもらいました。

【管理栄養士が解説】「月見バーガー」トロ〜リ半熟は「ニセ卵」? ファストフード3社「加工卵」のメリット・デメリットの画像1(写真ACより)

【加工卵】どのようなもの?

――「加工卵」とはどのようなものですか?

猪坂みなみ先生(以下、猪坂) 「加工卵」にはいくつか種類があります。

 まずは、液卵や冷凍卵、乾燥卵といった加工度の低いもの。液卵は、生卵を割って殻を取り除き、殺菌して衛生的にパックしたものです。

 製菓・製パン、社員食堂やホテルの朝食など、大量調理の現場で使われており、殻を割る手間を省きつつ、食中毒リスクを下げられるのがメリットです。

 一方で、半熟風たまごや目玉焼き風オムレツといった加工度の高いものもあります。これらは一度割った卵の中身を殺菌したうえで、ゼラチンや糖質、油脂などを加えて「とろりとした半熟食感」を再現したもの。

 ファストフードやお惣菜のように、調理から食べるまでに時間が空くことの多い食品で活躍します。生卵を半熟で提供すると衛生上のリスクが高くなるため、安全性と食感の両立を目的に開発されたのが特徴です。

【加工卵】栄養面からみたメリット&デメリット

――通常の卵と比較して、栄養面からみたメリット、デメリットを教えてください。

猪坂 液卵のような加工度の低いタイプは、栄養面では殻付きの生卵とほとんど変わりません。

 一方で、半熟風たまごなど加工度の高いタイプは、前述の通り、作る過程でゼラチンや糖質、油脂などが加えられていることがあります。そのため、商品によっては脂質や糖質などが増えることがあります。

 また、卵に含まれる栄養素の中には「熱に弱いもの」もあります。特にビタミンB群や抗酸化成分の一部は、加熱処理によってやや減少する傾向があります。

 ただし、これは家庭で卵を加熱調理した場合にも同じことがいえるので、「加工卵だから特別に栄養が大きく失われる」というわけではありません。

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