【管理栄養士が解説】「月見バーガー」トロ〜リ半熟は「ニセ卵」? ファストフード3社「加工卵」のメリット・デメリット

【管理栄養士が解説】「月見バーガー」トロ〜リ半熟は「ニセ卵」? ファストフード3社「加工卵」のメリット・デメリット

【加工卵】味・食感の違いや原材料表記は?

――味や食感における、生卵との見分け方を教えてください。また、原材料表記ではどう表記されていますか?

猪坂 生卵を割って焼いたものは、白身の広がりや焼き色に自然なバラつきが出て、黄身と白身の境目も少し不揃いになります。

 一方で加工卵(特に加工度の高いもの)は、形がきれいに均一に整っていて、食感は少し「もっちり」「ぷるん」としているのが特徴です。

 原材料表示では「卵加工品」「半熟風たまご」「目玉焼き風オムレツ」などと書かれていることが多いです。

【加工卵】「月見バーガー」の卵は本物?

【管理栄養士が解説】「月見バーガー」トロ〜リ半熟は「ニセ卵」? ファストフード3社「加工卵」のメリット・デメリットの画像2マクドナルド 月見バーガー(画像:プレスリリースより)

――ファストフード各社で「月見バーガー(フォカッチャ)」が販売されていますが、生卵が使われている店と加工卵が使われている店を、それぞれ教えてください。

猪坂 マクドナルドでは、公式ホームページによると、店舗で卵を割り、一つひとつ焼き上げているそうです。

 生卵をそのまま使う場合は、中心までしっかり加熱しないと食中毒のリスクがあるため、マクドナルドでは安全性を重視して完全に火を通しています。その分、半熟ではなく、固めの食感になります。

 一方、ケンタッキーの「目玉焼き風オムレツ」、ロッテリアの「半熟風たまご」、モスバーガーの「鶏卵加工品」はいずれも加工卵です。

 これは「半熟のとろりとした食感を楽しんでほしい」という狙いからだと思います。先ほどもお伝えしたように、飲食店で生卵を半熟のまま提供するのはリスクが高いため、生卵ではなく半熟風の食感が味わえる加工卵が使用されているのです。

――ファストフードのほかに、どんな食品で加工卵は使われていますか?

猪坂 各社の月見バーガーに入っているような“半熟風の加工卵”は、調理してから食べるまでに時間が空きやすい食品でよく使われます。

 例えば、コンビニのお惣菜や持ち帰り可能な飲食店のメニューなどです。親子丼やカルボナーラなどのように「とろりとした卵を味わいたい料理」で使用されることが多いと思います。

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