食事内容が白血病の発症に直接影響するという明確な科学的根拠は、現時点では確立されていません。しかし一部の栄養素や食品について研究が行われており、バランスの取れた食生活が総合的な健康維持に重要とされています。特定の食品で予防できるわけではありませんが、健康的な食習慣を身につけることは意義があります。ここでは白血病と食事の関係について、現在わかっていることを科学的な観点から解説します。

監修医師:
山本 佳奈(ナビタスクリニック)
滋賀医科大学医学部卒業 / 南相馬市立総合病院や常磐病院(福島)を経て、ナビタスクリニック所属/ 専門は一般内科
白血病と食事の関係性
食事内容が白血病の発症に直接影響するという明確な科学的根拠は現時点ではありません。一部の栄養素や食品について研究が行われており、現時点では、バランスの取れた食生活が総合的な健康維持に重要とされています。
特定の栄養素と発症リスク
葉酸やビタミンB群は、DNA合成や細胞分裂において重要な役割を果たします。これらの栄養素が不足すると、DNA複製時のエラーが増加し、遺伝子変異のリスクが理論的には高まる可能性があります。しかし、葉酸不足と白血病発症の直接的な因果関係を示す確実な疫学データは現時点では不足しています。
一部の研究では、抗酸化物質を豊富に含む食品の摂取が、がんリスク全般を低下させる可能性が示唆されています。ビタミンCやビタミンE、カロテノイドなどの抗酸化物質は、細胞を酸化ストレスから守り、DNAの損傷を防ぐ働きがあるとされています。ただし、サプリメントによる高用量摂取が予防効果を持つかについては、研究結果が一致していません。
加工肉の過剰摂取が、一部のがんリスクを上昇させる可能性があることが報告されています。白血病についても限定的ながら関連を示す研究がありますが、結果は一貫していません。
健康的な食生活の基本原則
白血病を含むがん予防の観点から、野菜や果物を豊富に含む食事が推奨されます。これらの食品にはビタミン、ミネラル、食物繊維、ファイトケミカルなどが含まれ、身体の免疫機能を維持し、細胞の正常な機能を支える可能性があります。1日あたり350g以上の野菜と、適量の果物を摂取することが目安とされています。
全粒穀物、豆類、魚類などを取り入れた多様な食事パターンも重要です。特定の食品に偏らず、さまざまな食材から栄養素を摂取することで、身体に必要な成分をバランスよく補うことができます。地中海式食事法のような植物性食品を中心とした食事パターンは、慢性疾患の予防効果が期待できるという報告があります。
過度な飲酒や高脂肪食、高カロリー食は避けることが望ましいとされます。肥満は一部のがんリスクを上昇させる可能性があることが知られており、適正体重の維持も予防的観点から重要です。ただし、特定の食品を食べれば白血病を予防できるという確実な方法はなく、総合的な生活習慣の改善が基本となります。
まとめ
白血病は早期発見と適切な治療により、寛解や長期生存が期待できる疾患となっています。疲労感、発熱、出血傾向などの症状が続く場合は、速やかに血液内科を受診することが重要です。ただし、これらの症状は他の疾患でも現れるため、過度に不安を感じる必要はありません。気になる症状が続く場合は、医療機関での相談をおすすめします。
定期的な健康診断を受け、血液検査の異常を見逃さないことも、早期発見につながる可能性があります。白血病について正しい知識を持ち、自身の身体の変化に注意を払うことで、適切なタイミングで医療機関を受診し、より良い治療成績を得ることが可能になる場合があります。
気になる症状がある場合や、リスク要因を持つ方は、定期的に医療機関で相談されることをおすすめします。
参考文献
厚生労働省「がん対策情報」
