50代はAI介護に期待? 自分が介護される側になったとき利用したいサービスは?

利用したいサービスは、デイサービスや配食サービス・代行業系がメイン

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介護の際に利用したいサービス・商品は、「デイサービス・デイケア」を筆頭に代行業系など生活基盤を支えるものが多く、最新技術を活用したサービスへの支持はまだ低いことがわかります。

ただし年代別に見てみると50代では、介護の新しい形である「AIやロボットによる介護サポート」「スマート家電による介護支援」「ペット型ロボットなどによる癒し・見守り」などの利用意向が他年代に比べて高くなっています。

専門家の見解

ハルメク 生きかた上手研究所 所長 梅津 順江(うめづ ゆきえ)氏
2016年から現職。年間約900人のシニアへの取材やワークショップを通じて、誌面づくりや商品開発、広告制作に役立てている。時代や世代も捉えて、半歩先の未来を予測・創造している。著書に『消費の主役は60代 シニア市場最前線』(同文舘出版)など。

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「家族で介護」はもう過去? プロとテクノロジーが担うこれから
「自分が介護される立場」と「家族を介護する立場」には、くっきりとした意識のズレがありました。
自分が介護される場合、最も多いのは「自宅での生活を望む人」で約4割。一方、家族を介護する場合は約7割が「施設を希望」しています。
いざ自分ごとになると「住み慣れた家で過ごしたい」という情緒が強くなる一方、家族を介護する立場になると「施設に任せたい」という合理的判断が働く。理想と現実、情と理のはざまにあるギャップが浮かび上がりました。
「誰に介護されたいか」という問いでも、この傾向が際立ちます。突出していたのは「ヘルパーなど第三者」で62.2%。「配偶者・パートナー」16.5%、「自分の娘」10.5%を大きく上回りました。血縁よりもプロへの信頼が高いことが明らかです。
介護経験の有無でも、意識に差が見られました。経験者ほど現実的な介護観が育まれており、外部サービスの重要性や健康への備え意識が高い傾向があります。自由記述でも、グループホームやケアマネージャーなど、家族以外の第三者に助けられている様子が伝わってきます。
自身が利用したい介護サービス・商品の上位に挙がったのは、「デイサービス」「入浴介助」「買い物代行」など生活基盤を支えるものが中心です。テクノロジー活用は「見守りセンサー・緊急通報」こそ約4割の支持を得たものの、「AIロボット」や「スマート家電」は2割台にとどまり、まだ普及途上です。
一方で、50代の意識には未来の介護像が垣間見えます。仕事と介護の両立リスクを抱える「ビジネスケアラー予備軍」として、AIやスマート家電といったテクノロジー活用への関心が高く、次世代の介護スタイルをけん引する存在になりそうです。
家族介護を前提とした社会設計はすでに転換点を迎えています。今後、プロとエイジテック(介護テクノロジー)がどう現場を支えるかが、シニア世代の暮らしの質を左右する鍵になるでしょう。

配信元: マイナビ子育て

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