
映画好きで知られるお笑い芸人・加藤浩次と映画ライターのよしひろまさみちが、毎週1本のおすすめ作品を語り尽くす「加藤浩次とよしひろのサタデーシネマ」(毎週土曜8:00-11:00、BS10)。11月8日(土)の放送では、俳優・船越英一郎が1984年公開の青春映画「ベスト・キッド」を紹介した。気弱な少年が空手を通して成長していく物語は、40年以上を経た今も世代を超えて愛されている。番組では、加藤とよしひろの2人がその普遍的な魅力を語り合った。
■“シンプルだからこそ響く”時代を超えて愛される王道ストーリー
先日「ベスト・キッド:レジェンズ」を劇場で観てきたばかりの船越は、「40年以上にわたって愛されてきたこの作品は、“血湧き肉躍る普遍的な青春ドラマ”」と熱弁。本作は原題が「The Karate Kid」でありながら、日本では「ベスト・キッド」として公開された。その理由について、よしひろは「当時は空手ブームの前だったこともあり、タイトルに“空手”が入っていると観に行くのを躊躇してしまうから、邦題は“ベスト・キッド”になったのでは?」と分析する。
またよしひろは本作を“子ども向けのエンパワーメント映画”と表現し、「ちょっと弱いティーンが強くなっていく成功物語は当時すごいたくさんあったはずなのに、最近はあんまり見ない。その代わりにファンタジーやアニメが主流になっている。別世界に思いを馳せないと生きていけないのかな」と時代の変化を考察。この意見には、加藤も「確かにそうだね」と深く頷いた。
作品が長年愛される理由について、加藤は「転校生がいじめられ、たまたま会ったおじさんが空手の達人で、その人に空手を教わっていじめた子を倒す」とあらすじを簡潔にまとめたうえで「2行で終わるストーリー。でもそのシンプルを求めているんですよ」と力説。よしひろも「たしかに、小難しいストーリーばかりだとキツい。こんな作品があれば、今の10代の子たちの元気につながっていくんじゃないか」と賛同する。わかりやすく、子どもに求められていたストーリー。だが「時代に求められている作品を作る」というのは、言葉の響きほど簡単なことではない。
番組後半では、物語のキーパーソンであるミヤギ先生にも焦点が当てられた。演じたのは米国でスタンダップコメディアンとして知られるモリタだが、当初はコメディ色が強かったこともあり起用が見送られていたという。これに加藤は「間違ってるなぁ。志村けんさんだって、『鉄道員(ぽっぽや)』でいい芝居してたじゃないですか」と、“コメディアンの演技力”を評価。よしひろも加藤の言葉には共感したようで、「お笑いの世界の人が芝居をすると全然違う。コントで色んな人になりきることを普段からやっているから」と“芸人の演技=コメディー”ではないことを熱く語る。
加藤は久しぶりに本作を観た感想として、「全然違う動きが稽古につながって、あそこまで強くなってる。あり得ない話ではあるんだけど、初めて観たときは“そういうことってあるんだ”と思っていた。教訓になった」とコメント。それに対し、よしひろは「人生には無駄がない。あそこで学んだことが意外なところで役に立つということですよね」と応じた。
人気シリーズとしての礎を築いた「ベスト・キッド」。シンプルなストーリーだからこそ誰にとっても分かりやすく、時代を超えて愛され続けている。青春映画の原点を改めて思い出させてくれる一作だ。
■「ベスト・キッド」ストーリー
母親と共にカリフォルニアへ引っ越してきた高校生ダニエル。ある日、彼はアリーという女の子に出会い心ときめくが、彼女の元恋人で不良グループのリーダー、ジョニーが現れ、あっという間にやられてしまう。それ以来、ダニエルは事あるごとにジョニーたちから嫌がらせや暴力をふるわれる羽目に。そんなある時、またしてもジョニーたちからケンカを仕掛けられたダニエルは、その窮地をミヤギという日本人に救われる…。


