すぐに病院へ行くべきインフルエンザで下痢に関する症状
ここまでは症状が起きたときの原因と対処法を紹介しました。応急処置をして症状が落ち着いても放置してはいけない症状がいくつかあります。以下のような症状がみられる際にはすぐに病院に受診しましょう。
インフルエンザで下痢に加えて血便がある場合は、消化器内科へ
インフルエンザの症状として血便が出ることは、通常ありません。そのため、下痢に血が混じっている場合、ウイルス性腸炎や潰瘍性大腸炎など、消化器に関わる他の病気が隠れている可能性があります。
血便に気づいた際は、速やかに消化器内科を受診し、専門医による診察と適切な検査を受けましょう。
下痢を伴うインフルエンザで呼吸困難や意識障害がある場合は、救急科へ
以下のような症状が現れた場合は、インフルエンザが重症化している可能性があります。
呼吸の異常がある:息が速い、息苦しそうにしている、顔色が悪い
意識の異常がある:呼びかけへの反応が鈍い、意味不明な言動がある、ぐったりとして起きない
これらの症状が出た場合、肺炎や脳症といった命に関わる合併症を起こしている可能性があります。救急診療の受診や、救急車の利用も検討してください。
病院受診の目安となる下痢を伴うインフルエンザのセルフチェック法
以下の項目に一つでも当てはまる場合は、医療機関を受診しましょう。
症状の例 受診をすべき理由
・嘔吐を繰り返し、水分を受け付けない
・半日以上尿が出ていない
・尿の色が非常に濃い
・口や舌がひどく乾燥している
脱水症状を疑うため
・38℃以上の発熱が4日以上続く
・一度良くなったように見えた後、再び熱が出たり症状が悪化したりする
インフルエンザの症状が長引いているため
・下痢が続き、ぐったりしている
・激しい下痢や嘔吐が長引いている
下痢症状が強いため
・呼びかけに返事をしない
・けいれんしている
脳に関する合併症が出ている可能性があるため
基礎疾患のある方や体力の落ちている方、子どもや年配の方などは、インフルエンザが重症化するケースも十分に考えられます。当てはまる症状がある場合は、早めの受診を検討しましょう。
下痢の症状が特徴的なインフルエンザ関連の病気・疾患
ここではメディカルドック監修医が、下痢に関する症状が特徴の病気を紹介します。どのような症状なのか、他に身体部位に症状が現れる場合があるのか、など病気について気になる事項を解説します。
インフルエンザA型
インフルエンザA型は、突然の38℃以上の高熱、悪寒、だるさ、関節痛などの全身的な症状が急激に現れる感染症です。通常の風邪と同様に、のどの痛みや咳、鼻水などが出るケースもあります。
おもな治療薬は、以下のとおりです。
薬の種類 代表的な成分 薬の効果
抗インフルエンザウイルス薬
・オセルタミビル
・ザナミビル
・ペラミビル
・ラニナミビル
・バロキサビル
・発症から48時間以内に開始することで、インフルエンザウイルスの増殖を抑える
・発熱期間を通常1~2日短縮し、鼻やのどからのウイルス排泄量を減らす
解熱剤 アセトアミノフェン ・熱を下げることで、高熱による体調不良をやわらげる
また、咳や鼻水が出ている場合は、咳止めや鼻水の流れを良くする薬を使用することもあります。水分をしっかりと摂り、ゆっくりと休みましょう。受診する診療科は、内科や呼吸器内科です。発熱している方は入り口を分けたりあらかじめの連絡が必要だったりする医療機関もあるため、電話して受診方法を確認すると確実です。
インフルエンザB型
インフルエンザB型は、例年冬の終わりから春先にかけてよく流行するタイプのインフルエンザです。基本的な症状は、急激な発熱、だるさ、関節痛などで、A型と同じです。ただし、B型は下痢や嘔吐などが強く出たり、A型ほど高熱にならかったりするケースもあるのが特徴です。ただし、子どもの場合は脳症をはじめとする合併症も報告されており、決して「インフルエンザB型だから症状が軽くて安心」というわけではありません。
治療方法や受診すべき診療科は、A型と同じです。年齢にあわせて内科・呼吸器内科や小児科を受診しましょう。
胃腸炎
胃腸炎とは、胃や腸の粘膜に炎症が起きた状態です。ノロウイルスやロタウイルスなどが原因で起こる胃腸炎は「感染性胃腸炎」と呼ばれ、インフルエンザ同様に毎年秋から冬にかけて流行します。咳や関節痛などの全身症状は少なく、吐き気、嘔吐、下痢といった消化器症状がおもに現れるのがインフルエンザとの大きな違いです。発熱するケースもありますが、インフルエンザよりは軽度の37〜38度で済むケースが多く見られます。
特効薬はなく、治療は水分補給などの対症療法が中心となります。嘔吐や下痢が激しい場合、水分をとれずに脱水が疑われる場合は、内科や消化器内科を受診しましょう。

