膵臓がんを発症すると腰にどんな痛みを感じる?メディカルドック監修医が膵臓がんを発症すると腰のどこに痛みを感じるか・ステージ分類などを解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「膵臓がん」を発症すると「腰にどんな痛み」を感じる?痛みを感じる原因も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
岡本 彩那(淀川キリスト教病院)
兵庫医科大学医学部医学科卒業後、沖縄県浦添総合病院にて2年間研修 / 兵庫医科大学救命センターで3年半三次救命に従事、近大病院消化器内科にて勤務 /その後、現在は淀川キリスト教病院消化器内科に勤務 / 専門は消化器内科胆膵分野
「膵臓がん」とは?
膵臓がんとはどのような病気でしょうか。
膵臓とはお腹の中、胃や十二指腸の裏にある臓器で、いろいろなホルモンと出したり、血糖を下げたり、消化液を作る働きを担います。その膵臓に発生するがんを膵臓がんと言います。膵臓がんは膵臓がある位置により早期発見しづらく、また進行が早いため見つかった時点で進行がんとなっていることも多い病気です。ここでは膵臓がんについて解説していきます。
膵臓がんを発症すると、腰にどんな痛みを感じる?
膵臓がんができた場合、痛みを感じることがあります。お腹、とくに上の方が痛むことも多いですが、膵臓はお腹の中でも背中側に位置しているため、背中や腰に痛みを感じることがあります。
鈍い痛み(鈍痛)
膵臓がんになった場合は膵臓がんが回りの組織、臓器や神経などを圧迫することで、腫瘍自体により痛みが出ることがあります。この場合は重く、鈍いような痛み、鈍痛と感じます。がんそのものによる痛みの場合は姿勢や動きなどで大きくは変わらず、常に続く痛みとして表れることが多いでしょう。
上腹部~背中、腰にかけての痛み
膵臓はお腹の上の方、胃や十二指腸の裏あたりに位置します。そのため膵臓がんによる痛みが出る場合は、上腹部や背中、腰に痛みが出ることがあります。また、がんが神経を圧迫した場合は肩などに痛みが出ることもあります(放散痛)。
骨への転移による痛み(姿勢・動作など)
膵臓がんが背骨に転移し、痛みが出ている場合は姿勢や動作により痛みが悪化することがあります。ひどいときは起き上がるなどの動作でも強い痛みが出てしまうため、動けなくなってしまいます。また、脊髄などの神経を圧迫することもあり、時には下肢にしびれなどの症状が出ることもあります。
通常は医療用麻薬などによる鎮痛などを行いますが、症状がひどい場合は症状を抑えるための放射線治療を行うこともあります。

