無料グループで具体的な投資指示が始まり、さつきは「たった10万円なら」と、生活費から資金を捻出し、仮想通貨を購入。しかし、すぐに指示は「海外の運用専門アプリ」への送金に切り替わって…。
300人という数に感覚がマヒ
LINEグループに入ってみると、そこにはすでに300人近い参加者がいました。みんな同じように、仮想通貨で10万円分を投資するだけでお金が増えたミオさんの華やかな生活と「無料で教えます」という言葉に惹かれた人たちです。
ミオさんは、グループ内で毎日、今日の相場状況や、「昨日も利益が出ました!」といった喜びの声を投稿していました。
私は、スマホを握りしめながら、本当に投資をするのか最後の悩みを抱えていました。今の暮らしでも生活できていないわけではない…でも、どうしてもリッチな暮らしをしてみたい。
時間とお金の余裕という誘惑
ミオさんの投稿で見る、時間のゆとり、場所の自由、そして何よりもお金の「余裕」。あれこそが、私が本当に欲しかったもののような気がしたんです。俊哉にもっと楽をさせてあげたい、なおにもっといろんな経験をさせてあげたい。その「希望」が、私の理性を麻痺させていきました。
(私にもできるかも。たった10万円なら、もし投資で少し減ってもすぐに取り返せる額だし)
そう、これが私を騙した最も強力な言い訳でした。全財産を注ぎ込む勇気はなかったけれど、ちょっと試してみる「お小遣い」の感覚で、つい手を出してしまったんです。
ミオさんのLINEで、いよいよ具体的な指示が来ました。
『まずは、日本の仮想通貨取引所で口座を開設してくださいね』
『そして、投資のスタート資金として、10万円分だけ仮想通貨を購入しましょう』
指示通り、私はすぐに口座を開設し、生活費の口座から10万円を振り込みました。指先に力を込めて「購入」ボタンを押す瞬間、心臓がドキドキと高鳴るのを感じました。
「よし、これで私も一歩踏み出した。リッチになれるかもしれない!」

