
乃木坂46の岩本蓮加と冨里奈央がW主演を務めるドラマ「ふたりエスケープ」(毎週土曜深夜0:55-1:25、テレビ大阪ほか/Leminoプレミアムで独占配信)の第4話が、10月25日に放送・配信。第4話では、すしや架空の猫が2人の暮らしに笑いと癒やしを添え、思わぬ奇跡が訪れた。(以下、ネタバレを含みます)
■“エア猫”をかわいがる2人
同作は、田口囁一の同名コミック(一迅社刊)を実写化したもので、かわいいだけが取り柄で、無職にして「現実逃避のプロ」の先輩(岩本)と、日々原稿に追われている「限界漫画家」の後輩(冨里)が繰り広げる“現実逃避”コメディードラマ。思い立ったら即行動、スマートフォンをとんでもない方法で封印したり、公園で童心に帰ってみたり、豪華食材でホームパーティーを開いてみたり、まさに日常生活で疲弊している現代人に“癒やし”を与えてくれる作品だ。
第3話で久々の原稿料をたっぷり食材に散財した先輩と後輩。原木をまるごと買い込んだ生ハムがまだ残っていて、ご飯のおかずに食べ続けている。しかし、白米と生ハムばかりの食事に飽きてきた先輩は「すしの絵描いて」と後輩にリクエスト。その絵を枕の下に敷いて眠り、貧乏生活の中、めったに食べられないすしへの食欲を夢で満たそうというわけだ。
その後、先輩は「ドラえもん」ののび太並みの入眠速度でスヤスヤ昼寝を始めたが、夢の中で「すし太郎」と名付けたすしを後輩に食べられてしまったところで目が覚める。
もっと夢の中ですしを味わいたい先輩は引き続きすしの絵を後輩に頼むが、後輩が描いたのは「ずっと飼いたかったんですよね」という猫の絵だった。後輩はこの架空の白猫を「ちくわぶ」と名付け、そこに実在するかのようにかわいがる。
先輩もまんざらでもない気分になり、2人で猫缶、猫砂、爪とぎ用のポールにキャットタワーと、ホームセンターで猫飼育用のグッズを一気買い。新しく迎えたこの“エア猫”のおかげで日常がもっと楽しくなった。
■“ちくわぶ”そっくりの白猫が出現
ところが、ちくわぶをかわいがり過ぎてはしゃいだあまりにマンションの住人から苦情が来てしまい、大家に怒られて一気に現実に引き戻される。暗い押入れでしょんぼりしている先輩の姿がもの悲しい。
それでも後輩は「簡単にやめようとか言わないでください」と、ちくわぶと別れたくない様子。そこで、エア猫であることを隠したまま後輩の実家に連れていくことに決めた。ちくわぶと過ごす最後の夜と決意して、想像の中のちくわぶと一緒に布団に入った2人だが、朝目が覚めると、2人の視界からちくわぶが見えなくなっていた。
エア猫なのにどこかに行ってしまったちくわぶ。似顔絵を掲示板に張り、近所を捜索する先輩と後輩の前に、信じられない出来事が起きた。第2話で公園で一緒に相撲を取った子どもが、ちくわぶとそっくりの白猫を抱いて連れてきたのだった。妄想なのか、現実なのか――。
初めて手に取ってしっかり抱いたちくわぶは丸々としていて暖かい。後輩の一枚の猫の絵から生まれた妄想が現実と結びついた瞬間だった。そして“本物”のちくわぶとの出会いが、この回冒頭のバス車内でのシーンにつながっていく。
深夜の“飯テロ”に始まり、ちくわぶを家に招き入れてから、別れる決断をして再会するまでを1話に凝縮したこの回。最初にちくわぶが生み出されたところで、透明なちくわぶを抱っこしたりなでたりする岩本と冨里の芝居が細かく丁寧で、繰り返し見たくなる。現実と想像の境目が分からなくなり、2人の心境がバックの映像や天気とリンクしているかのような演出もすてきだった。小道具のように登場するインスタントカメラや携帯ラジオもレトロ感を醸し出す。
視聴者からは「猫飼いたい」「俺もすし食べたい!」と劇中の暮らしに憧れたり、「不思議な展開だけどほっこりする」「ファンタジー回だね」といった感想が寄せられている。見る人によって、いろいろな想像ができる回だった。
◆文=大宮高史

