血圧がどれくらい高くなると大動脈解離を発症しやすくなる原因
高血圧は、大動脈解離を引き起こす要因として非常に重要です。主に以下の2つの段階で血管に負担をかけます。
血管の壁を弱らせる
長期間にわたり血圧が高い状態が続くと、血管の壁、特に真ん中の層(中膜)の組織が徐々に傷つき、弱くなっていきます
強い力で壁を裂く
弱くなった血管の壁に対し、高血圧によって「血行力学的な負荷」、つまり血液の流れが血管の壁を押しつけたり擦ったりする強い力(ずり応力や衝撃力)が繰り返し加わります。血圧が高いほど、この力が強くなり、血管の壁はその強い圧力に耐えきれず、大動脈の走行に沿って裂けてしまうのです。
血圧が低くても大動脈解離を発症することはある?
大動脈解離の根本的な原因は、血液を全身に送る最も太い血管(大動脈)の壁、特に真ん中の層の組織が弱くなることです。
通常、血圧が高いと血管の壁にかかる強い力(ストレス)が増すため、解離はより起こりやすくなりますが、血管の壁自体がすでに弱くなっている場合は、たとえ血圧が正常な範囲にあっても、その圧力に耐えきれずに裂けてしまうことがあります。
血管の壁が弱くなる背景には、高血圧や、生まれつきの体質(マルファン症候群などの遺伝性結合織疾患)、動脈硬化、加齢などの様々な要因が関係していると考えられています。
実際に、上の血圧が120~130 mmHg、下の血圧が80~90 mmHgという正常に近い血圧の状態で解離を発症した事例も報告されています。

