
こんにちは!
「福祉用具屋さんのブログ」を書いている「福祉用具屋さん」と申します。
今回のコラムでは、「安全」と「自立」は、時にトレードオフになるというテーマで書いてみたいと思います。
「守る支援」から「活かす支援」へ

介護の現場では、「ヒヤリハット」で事故につながりそうなケースに時々遭遇したりします。
介護に携わる私たちとしては、いかに事故なく安全にご利用者が過ごしていただけるか、ということを考えていかなければならないと思っています。
しかしながら、「安全」を優先するあまり、結果的に「自立」を奪ってしまうケースがあることも忘れてはいけません。
もちろん、転倒や骨折などを防ぐことはとても大切ですが、「安全」と「自立」は、時にトレードオフの関係になりうる・・・
一方を過度に重視すると、もう一方が損なわれてしまうことがあるのです。
「歩かせないほうが安全」という落とし穴

たとえば、転倒を心配するあまり、「歩かせるのは危ないから」といって、杖や歩行器も使わせず、いきなり車いすを使うようにしてしまうケースがあったります。
確かに、それならば転ぶリスクは減るかもしれません。
しかしながら、そもそも「歩かない」生活になることで、足腰の筋力がどんどん低下していきます。
気づけば「立ち上がれない」「歩けない」状態に・・・。
最初は「転倒予防」のためだったのに、それが結果的に「寝たきり」への第一歩になってしまう。
安全を優先するあまり、「その人が自力で行えていた残存能力」を削いでしまうこともあるのです。

