『安全』と『自立』は、時にトレードオフになる

『安全』と『自立』は、時にトレードオフになる

「楽だから」が生む、動かない生活

最近では、電動カートの利用者も増えています。

買い物や外出をサポートしてくれる便利な福祉用具ですが、「単に楽だから」という理由で使い始める場合には注意が必要です。

実際に以前対応したご利用者でこんなことがありました。

以前は毎日畑まで歩いて通っており、その畑までの往復も問題なく歩いてできていたのですが、楽に移動したい、という理由で電動カートを導入。

導入に当たっては、歩かなくなると足腰が弱ってくるから、電動カートにばかり頼らないようにしましょうね、と話はしていたのですが、実際に電動カートを導入してからは、「便利だから」とほとんど歩かなくなり、数か月後には足腰が極端に弱くなってしまいました。

確かに移動は楽になりましたが、その「便利さ」が日常の運動量を大きく減らし、体力低下を早めてしまったのです。

便利さを取り入れながらも、「どこまでを自分の力で行うか」を一緒に考える。

特にどんどん身体能力が衰えてくるお年寄りにとっては、残存能力をいかに維持させていくかが重要であり、自分でできることを自ら狭めてはいけない!と思っています。

守るだけではなく、活かす支援へ

利用者の「安全」を守ることはもちろん大切です。

でも、その人の「自立」や「意欲」を守ることも、同じくらい大切です。

「転倒」のリスクは極力減らさなければなりませんが、せっかくの残存能力は生かして、自分の足で一歩を踏み出せるように支援する。

「安全」と「自立」のバランスある支援、今後も心がけていかなければと思っています。

というわけで、最後まで読んでいただきありがとうございました!

これからも、「介護の三ツ星コンシェルジュ」にて、福祉用具にまつわるコラムを定期的に投稿していきますので、どうぞよろしくお願い致します!!


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