●「同意があれば自由恋愛」という無責任な認識
被告人質問では、14歳と認識したうえでの行為だったと認めた被告人の「無責任な認識」が浮き彫りになった。
弁護人:そういう年齢の人と性交するのが犯罪とは?
被告人:自分が無知で、どういうことをしたら犯罪かわかってなく、自由恋愛だったらと。
弁護人:恋愛ならいいと思っていた?
被告人:あんまよくないかなと思いつつも、同意あればいいのかなと。
少女から誕生日プレゼントをもらっていたことや、暴行・脅迫を用いていないことから、「同意がある」と安易に考えていたようだ。
●少女の好意を利用した犯行
検察官から、年齢を知ってもためらないがなかったことを問われると「若すぎるとは思ったが、波長が合ったので」と答える被告人。
公判中ずっと声が震え、緊張していると思われる様子からも、現在は真剣に事件に向き合っていると感じるが、事件時はあまり深く考えていなかったようだ。
検察官:なぜ16歳未満への行為がダメだと思っていますか?
被告人:まだお子様で、正しいことを判断して選べないからと。
検察官:少女が大人になったら、今回のことをどう思うでしょうか?
被告人:辛いと思う。
検察官:それはどうして?
被告人:恋人でない大人と性交したのが傷つくのでは。
検察官:メッセージをブロックされたと聞いて、少女はなぜ号泣したと思う?好意を抱いていたからなのではないか?
被告人:・・・恐らく。
検察官:少女の好意を利用した犯行だ。
被告人:そう捉えられても仕方ない。
このやりとりは、少女の母親が怒りを覚えた「成人が経験値に任せて都合のいいように誘導している」という言葉をまさに体現していた。

