白血病の治療は近年大きく進歩しており、病型や患者さんの状態に応じて個別化された治療が行われています。化学療法を中心に、造血幹細胞移植や分子標的薬など、さまざまな治療選択肢が用意されています。適切な治療により多くの方で寛解が得られ、予後も改善傾向にあります。ここでは白血病の主な治療法とその効果について、最新の知見をもとに詳しく解説します。

監修医師:
山本 佳奈(ナビタスクリニック)
滋賀医科大学医学部卒業 / 南相馬市立総合病院や常磐病院(福島)を経て、ナビタスクリニック所属/ 専門は一般内科
白血病の治療法と予後
白血病の治療は、病型や患者さんの年齢、全身状態などに応じて個別化されます。医療の進歩により、多くのタイプで治療成績が向上しています。
化学療法の役割と効果
化学療法は白血病治療の中心となる方法です。急性白血病では、まず寛解導入療法により白血病細胞を可能な限り減少させ、完全寛解を目指します。その後、地固め療法や維持療法により、残存する白血病細胞を根絶し、再発を防ぐことを目指します。急性白血病の場合、寛解導入から維持療法まで含めた治療期間は6ヶ月〜2年程度に及ぶことが一般的です。
使用される抗がん剤の種類や組み合わせは、白血病のタイプによって異なります。急性リンパ性白血病では、ビンクリスチン、ステロイド、アントラサイクリン系薬剤などが使用されます。急性骨髄性白血病では、シタラビンとアントラサイクリン系薬剤の併用が標準的です。
化学療法の副作用として、骨髄抑制による感染症や出血、消化器症状、脱毛などが生じる場合があります。これらの副作用を管理しながら治療を継続するため、入院治療が基本となります。支持療法の進歩により、感染症の予防や早期治療、輸血療法などが効果的に行われ、治療関連の合併症は減少傾向にあります。
造血幹細胞移植と新規治療
リスクが高い白血病や再発例では、造血幹細胞移植が検討されます。移植には自家移植と同種移植があり、白血病では同種移植が選択されることが多いです。ドナーから提供された健康な造血幹細胞を移植することで、正常な造血機能の回復を図ります。
同種移植では、移植片対白血病効果と呼ばれる免疫学的な抗白血病作用が期待できますが、移植片対宿主病などの合併症リスクもあります。血縁者間移植と非血縁者間移植があり、HLA(ヒト白血球抗原)の適合度が移植の成否に影響します。臍帯血移植も選択肢の一つです。
近年、分子標的薬や免疫療法など新しい治療法が開発されています。慢性骨髄性白血病に対するチロシンキナーゼ阻害剤は、BCR-ABL融合タンパク質の働きを阻害し、高い治療効果を示す場合があります。急性リンパ性白血病に対するCAR-T細胞療法は、患者さん自身のT細胞を改変して白血病細胞を攻撃させる革新的な治療法です。これらの新規治療により、従来は治療困難だった白血病でも寛解が得られる可能性が広がっています。
まとめ
白血病は早期発見と適切な治療により、寛解や長期生存が期待できる疾患となっています。疲労感、発熱、出血傾向などの症状が続く場合は、速やかに血液内科を受診することが重要です。ただし、これらの症状は他の疾患でも現れるため、過度に不安を感じる必要はありません。気になる症状が続く場合は、医療機関での相談をおすすめします。
定期的な健康診断を受け、血液検査の異常を見逃さないことも、早期発見につながる可能性があります。白血病について正しい知識を持ち、自身の身体の変化に注意を払うことで、適切なタイミングで医療機関を受診し、より良い治療成績を得ることが可能になる場合があります。
気になる症状がある場合や、リスク要因を持つ方は、定期的に医療機関で相談されることをおすすめします。
参考文献
厚生労働省「がん対策情報」
