ミオからの連絡が途絶え、さつきは不安のあまり自力で検索を開始。そこで、自分の状況が詐欺の手口と完全に一致することを知り、絶望して…。
嫌な予感が胸を過る
ミオさんからの返信が来ないまま、丸1日が過ぎました。
「ただ忙しいだけかな?それとも、すぐに解約の話なんてするから、嫌われちゃった?」
そんな風に、最初は自分を納得させようとしました。でも、振り込んだ直後から、私の気持ちは四六時中そわそわしっぱなしです。まるで、おなかの中に小石が一つ入っているような、重苦しい感覚が続きました。
なおの笑顔を見ても、心から笑えない。俊哉が帰ってきて「おかえり」と言っても、声が上ずってしまう。この秘密が、私と家族の間に見えない壁を作り始めていました。
意を決して、インターネットで検索を始めました。
「仮想通貨 運用アプリ 解約できない」
「SNS 投資 詐欺 女性」
恐る恐る、一つ一つキーワードを入れていくと、そこにはぞっとするような記事や体験談が並んでいました。
「送金先は、運営会社の実態がないダミーの取引所」
「解約しようとすると、手数料だの税金だの名目で、さらにお金を要求されます」
詐欺だと確信してしまう
頭が真っ白になりました。記事の内容が、私の今の状況と寸分違わず一致している。複雑な送金手続き、日本語が怪しいアプリ、そして、解約を申し出た途端の沈黙…。
「これは…詐欺だ」
絶望でした。私はすぐにミオさんのLINEに、改めて、強くメッセージを送りました。
『アプリの解約方法をすぐに教えてください。もし返信がないなら、警察に相談します』
しかし、LINEの通知は「既読」のまま。インスタのDMにも同じメッセージを送りましたが、そちらも「既読」で沈黙。そして、しばらくしてミオさんのインスタアカウントを見てみると、「このユーザーはいません」と表示されるようになりました。LINEのグループも、いつの間にか強制的に退会させられていました。
「やられた……」
あの10万円は、娘のなおのために使いたかった、ささやかだけど大事なお金。それが、あっという間に見知らぬ誰かの手に渡ってしまったのです。

