「急性心不全の予防法」はご存知ですか?医師が解説!

「急性心不全の予防法」はご存知ですか?医師が解説!

急性心不全を予防する方法とは?メディカルドック監修医が解説します。

※この記事はメディカルドックにて『「急性心不全の前兆となる3つの初期症状」はご存知ですか?予防法も医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

丸山 潤

監修医師:
丸山 潤(医師)

群馬大学医学部卒業。群馬県内の高度救命救急センター救急科及び集中治療科に2022年まで所属。2022年より千葉県の総合病院にて救急総合診療科および小児科を兼務。乳児から高齢者まで幅広い患者層の診療に努める。
【保有資格】
医師/医学博士/日本救急医学会救急科専門医/日本集中治療医学会集中治療専門医/DMAT隊員/日本航空医療学会認定指導者(ドクターヘリの指導者資格)/JATECインストラクター/ICLSインストラクター

「急性心不全」とは?

急性心不全とは、心臓が血液を体中に十分送り出すことができなくなる状態を指します。これにより、各臓器が必要な酸素や栄養を受け取れず、さまざまな症状が発生します。本記事では急性心不全の特徴やその予防法について詳しく解説します。

急性心不全を予防する方法

定期的な運動

肥満の予防として健康的な食事と定期的な運動が大切です。また、定期的な運動は筋肉だけでなく心肺機能も高めるため、運動耐容能(体力)の維持・向上につながります。運動の具体的な内容としては、速歩き、ジョギング、水泳、サイクリングといった軽い有酸素運動を週に数回、30分程度行うことが推奨されます。ただし、心疾患や肺疾患が元々ある方の場合は他の人と同じ運動をしても、本人にとっては負担が大きすぎる可能性があるため、必ずかかりつけの医師と相談して運動量を決定しましょう。

塩分を控えた食事

塩分の高い食事をすると血液が濃くなり、身体に水を引き込みます。体の水分量(特に血液量)が増加すると、血圧が上昇し心臓に負担をかけ、心不全を起こす原因となります。そのため、塩分を控えた食事を摂ることで高血圧を予防することが大切です。
日本人の食生活では、特に味噌汁、漬物、加工食品などに塩分が多く含まれています。新鮮な果物、野菜、全粒粉の穀物、低脂肪のたんぱく質などに置き換えることで、塩分量を減らしても満足感の得られる食事が摂れるでしょう。また、新鮮な果物や野菜にはカリウムが多く含まれますが、カリウムは高血圧を予防する効果があるため、積極的に摂取することをお勧めします。ただし、腎機能が低下している方はカリウムをうまく尿で排泄できないため、致死的な不整脈を起こす危険性があります。必ず医師の指示のもと適切な量を摂取するようにしましょう。

体重の管理

内臓肥満の増加は生活習慣病の原因となり、急性心不全の高いリスクとなるため、体重管理は非常に大切なセルフケアです。適切な食事と定期的な運動が体重管理の鍵です。食事では食べ過ぎ(特に糖質の過剰摂取)を避けましょう。糖質の過剰摂取は肥満のみならず、糖尿病や脂質異常症のリスクを高め、メタボリックシンドロームにつながるため注意が必要です。

禁煙

タバコに含まれるたくさんの化学物質は、動脈硬化を進行させて血管を狭くさせるため、心臓の負担を増やします。喫煙は心疾患だけでなく肺疾患の原因にもなります。心疾患と肺疾患の両方を発症すると息切れが強くなり、状態によっては常に酸素が必要な身体となってしまいます。喫煙は一切しないことをお勧めしますが、もしすでに喫煙をしている場合はなるべく早く禁煙しましょう。一度ダメージを受けた血管や肺は元に戻りませんが、禁煙することでそれ以上悪化するのを防げます。

配信元: Medical DOC

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