「乳がんから転移した後の余命・治療法」はご存知ですか?【医師解説】

「乳がんから転移した後の余命・治療法」はご存知ですか?【医師解説】

乳がんから転移した後の余命

乳がんの遠隔転移がある場合の5年生存率は39.3%と報告されています。

骨に転移した場合の余命

乳がんの骨転移そのものが直接命にかかわることは少なく、他の臓器の転移がない場合は余命が長い傾向があります。海外の研究ですが、骨転移の3年生存率は50.5%と報告されています。

肺に転移した場合の余命

肺に転移した場合の余命は乳がんの性質や転移の程度によってさまざまです。単発の肺転移であれば余命が長い可能性があります。海外の研究で、肺転移の3年生存率は37.5%と報告されています。

肝臓に転移した場合の余命

肝臓に転移した場合の余命は転移の状況によってさまざまあり、一概にいうことはできません。海外の研究ですが、肝転移の3年生存率は38.2%と報告されています。

乳がんから転移した後の治療法

乳がんが遠隔転移した場合は、完治が難しくなります。がんの進行を抑えて、症状をやわらげ、生活の質を保ちながら長期生存を目指す治療を行います。乳がんの性質や進行度、転移の状況や患者さんの状態によって治療を選択します。

薬物治療

遠隔転移した場合、画像検査で見えている病変以外にも目に見えないがん細胞が体内のどこかにあると考えられます。そのため、全身に効果が行き届く、薬物治療を中心に行います。腫瘍内科や乳腺科で治療を行います。薬物治療には大きく、内分泌治療、化学療法、分子標的薬、免疫治療があり、乳がんの性質によって使い分けます。ホルモン受容体陽性の場合は、内分泌治療±分子標的薬が有効です。効果がなくなった場合や命に係わる病状の場合は化学療法を行います。HER2陽性の場合は分子標的薬(抗HER2療法)を行います。トリプルネガティブ乳がんの場合は、化学療法が基本です。PD-L1陽性の場合は免疫療法を、BRCA遺伝子の病的バリアント陽性の場合はPARP阻害薬も使用されます。また、骨転移がある場合は骨吸収抑制薬を併用します。

放射線治療

痛みを伴う骨転移がある場合に放射線治療をすることで症状を和らげることができます。また、症状のある脳転移に対して、放射線治療を行うことがあります。脳転移が多発している場合は全脳照射を行います。他の臓器に転移がなく、脳転移が少数の場合、病巣にだけ照射を行う定位放射線照射を行うことがあります。治療は放射線治療科で行います。

手術

現在、基本的に遠隔転移に対しての手術はすすめられていません。生存期間を長くするための手術に関しては、研究段階です。肺にしこりがある場合、本当に乳がんの転移なのかを診断するために生検手術を行うことがあります。また、骨転移による骨折や神経症状を和らげるために整形外科で手術を行うことがあります。脳転移に対しても手術を行うことがあります。脳転移が数カ所のみで、全身状態が許せば、症状を和らげるために脳神経外科で手術を行うことがあります。

配信元: Medical DOC

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