中性脂肪値を下げる予防法とは?メディカルドック監修医が解説します。
※この記事はメディカルドックにて『「中性脂肪」を下げる可能性の高い「飲み物」はご存知ですか?医師が解説!』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
伊藤 陽子(医師)
浜松医科大学医学部卒業。腎臓・高血圧内科を専門とし、病院勤務を経て2019年中央林間さくら内科開業。相談しやすいクリニックを目指し、生活習慣病、腎臓病を中心に診療を行っている。医学博士、産業医、日本内科学会総合内科専門医、日本腎臓学会腎臓専門医、日本透析医学会透析専門医、日本東洋医学会漢方専門医、日本医師会認定産業医、公認心理師。
中性脂肪とは?
健康診断で中性脂肪が高いと指摘されたことはありませんか?中性脂肪は一度は聞いたことがある言葉とは思いますが、どのようなものなのか詳しくわからない方も多いのではないでしょうか。中性脂肪はなんとなく、体に良くないのではないかとおもわれている方も多いと思います。この記事では、中性脂肪について詳しく解説します。
中性脂肪とは、脂肪の一種でトリグリセリド(トリグリセライド、TG)とも呼ばれます。体内での貯蔵エネルギーとしての役割を持ち、糖質の不足を補って体を動かす際の重要なエネルギーとなります。
中性脂肪値が高いとどうなる?
体のエネルギー源として非常に重要な役割を持ちますが、中性脂肪が高いことは動脈硬化の危険因子となります。また、空腹時で500mg/dL以上の著名な高中性脂肪血症は、急性膵炎のリスクにもなります。
中性脂肪は空腹時に150mg/dL以上、随時採血で175mg/dL以上であった場合に高TG血症と診断されます。高TG血症は将来の冠動脈疾患(狭心症、心筋梗塞)や脳梗塞の発症や死亡に影響していると報告されており、注意が必要です。
中性脂肪値を下げる予防法
飲酒を控える
アルコール摂取は、中性脂肪をあげる原因となります。適量にとどめる様にしましょう。一日のアルコール摂取の目安として、純アルコール量20g程度以下が勧められます。この純アルコール量20gは日本酒で1合(180ml)、ビールで中瓶1本(500ml)、ワイン200ml程度です。一日当たりのアルコール量を減らす事、もしくは週2回程度の休肝日を設けてアルコール摂取量を減らしていきましょう。
糖質を控える
糖質は体の主なエネルギー源であり、体にとって不可欠です。しかし、摂りすぎによりエネルギーとして使われなかった残りは、中性脂肪となります。このため、糖質の摂りすぎは、中性脂肪が高くなる原因となるため注意が必要です。果物や菓子類、ジュースなどの間食をまず控えるようにしましょう。
夜の食事を食べすぎない
夜の食事は、その後に活動量が減ってしまうためエネルギーとして消費されず血液中の中性脂肪が高くなる原因となります。夜の食事は早めに食べ、食べ過ぎないようにすることが大切です。
魚類を摂る
タンパク質の摂取は肉類を少なめにし、魚や大豆製品を多めにとるようにしましょう。大豆や魚油には不飽和脂肪酸が多く含まれており、血中のコレステロール値を上げにくいと言われています。また、魚油に含まれるEPAには中性脂肪を低下させる効果が期待できます。
有酸素運動を行う
中性脂肪を下げるためには、有酸素運動が有効であると言われています。できれば、息が切れる程度の運動を一日30分程度、週3回以上行うことが勧められます。しかし、なかなか時間が取れない場合、一日10分でも体を動かす習慣をつけることが大切です。通勤や買い物など日常生活に取り入れてなるべく体を動かすようにしましょう。

