ポリフェノールは植物由来の天然成分として知られており、その主要な働きは抗酸化作用にあります。体内でこの成分が不足すると、さまざまな健康への影響が懸念されます。酸化ストレスの増大から免疫機能の低下まで、ポリフェノール不足が身体に及ぼす影響について詳しく解説します。日常生活における適切な摂取の重要性を理解していただくことで、健康維持に役立てていただけるでしょう。

監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)
保有免許・資格
管理栄養士資格
ポリフェノール不足が引き起こす身体への深刻な影響
ポリフェノールが不足すると、身体にはさまざまな悪影響が現れる可能性があります。植物由来の天然成分であるポリフェノールの主要な働きは抗酸化作用にあり、この機能が低下することで多くの健康問題が生じます。
酸化ストレスの増大と細胞老化の促進
ポリフェノールが不足すると、体内の活性酸素を十分に中和できなくなり、酸化ストレスが増大します。この状態が続くと、細胞の老化が促進され、DNA損傷のリスクとの関連が示唆されています。
特に血管内皮細胞への影響は深刻で、動脈硬化の進行につながる可能性があります。血管の柔軟性が失われることで、高血圧や心疾患のリスクが上昇し、長期的には生活習慣病の発症につながることも考えられます。
また、神経細胞への酸化的損傷は、認知機能の低下や記憶力の減退といった症状として現れることがあります。脳内の神経伝達物質の働きが阻害されることで、集中力の低下や物忘れが頻繁に起こるようになる場合があります。
免疫機能の低下と慢性炎症の発生
ポリフェノール不足は免疫システムにも大きな影響を与えます。抗炎症作用を持つポリフェノールが不足すると、慢性的な炎症状態が継続しやすくなり、身体の防御機能が低下します。ポリフェノールは必須栄養素ではなく欠乏症は定義されていませんが、抗酸化・抗炎症作用が示唆されており、摂取量が少ない食習慣は炎症や免疫機能との関連が報告されています。
この結果、風邪やインフルエンザなどの感染症にかかりやすくなったり、回復が遅れたりする傾向が見られます。さらに、アレルギー反応が強く出やすくなることも報告されており、花粉症や食物アレルギーの症状が悪化する可能性があります。
炎症性サイトカインの産生が増加することで、関節痛や筋肉痛といった症状が現れやすくなる場合もあります。これらの症状は日常生活の質を大きく低下させる要因となるため、適切なポリフェノール摂取が重要です。
まとめ
ポリフェノールは私たちの健康維持において重要な役割を果たす成分です。適切な摂取量を心がけ、効果的な組み合わせを理解することで、その恩恵を最大限に活用できます。不足や過剰摂取による症状を避けながら、多様な食材から自然にポリフェノールを摂取し、バランスの取れた食生活を実践することが重要です。日々の食事にポリフェノール豊富な食材を取り入れ、健康的なライフスタイルを築いていきましょう。★
参考文献
[厚生労働省『「統合医療」に係る 情報発信等推進事業』抗酸化物質]
[日本食品標準成分表2020年版(八訂)]

