コーヒーと心血管系の関係については、長年にわたり多くの研究が行われてきました。カフェインは血圧を一時的に上昇させる作用がありますが、適度な摂取であれば健康な方にとって大きな問題とはならないことがわかっています。高血圧や不整脈の既往がある方が知っておくべき注意点について、詳しく説明します。

監修管理栄養士:
武井 香七(管理栄養士)
保有免許・資格
管理栄養士資格
心血管系への影響と注意点
コーヒーと心血管系の関係については、長年にわたり多くの研究が行われてきました。近年の知見では、適度な摂取であればリスクは低いとされていますが、体質や既往症によっては注意が必要です。
血圧への一時的な影響
カフェインには血圧を一時的に上昇させる作用があります。これは、カフェインが交感神経を刺激し、血管を収縮させるためです。通常、この上昇は軽度であり、数時間で元に戻ります。カフェインを日常的に摂取している方は、身体が順応して血圧上昇の程度が小さくなることが知られています。
しかし、普段カフェインをほとんど摂取しない方や、高血圧の治療を受けている方がコーヒーを飲むと、血圧が予想以上に上昇することがあります。特に、血圧のコントロールが不安定な方や、重度の高血圧を持つ方は、コーヒーの摂取について主治医に相談することが推奨されます。また、血圧測定の前にコーヒーを飲むと、正確な値が得られないことがあるため、検査前は摂取を控えることが望ましいです。
不整脈のリスク
以前は、コーヒーの摂取が不整脈を引き起こすと考えられていましたが、近年の研究では、適度な摂取であれば健康な成人において不整脈のリスクは増加しないとされています。むしろ、いくつかの研究では、コーヒーの適度な摂取が心房細動のリスクを低減させる可能性さえ示唆されています。
ただし、既に不整脈の診断を受けている方や、動悸を感じやすい方は注意が必要です。カフェインは心拍数を増加させる作用があるため、症状を悪化させることがあります。また、極端に大量のカフェインを短時間に摂取すると、健康な方でも動悸や頻脈を引き起こす可能性があります。心臓に関する持病がある方は、コーヒーの摂取量について医療機関で相談し、個々の状態に応じた適切な量を把握しておくことが大切です。
まとめ
コーヒーには、2型糖尿病や肝疾患、パーキンソン病のリスク低減といった健康効果がある一方で、睡眠障害や胃腸への負担、血圧上昇といったデメリットも存在します。適切な摂取量は1日3杯から4杯程度とされていますが、個人差が大きいため、自身の体調や反応を観察しながら調整することが重要です。ダイエット効果については、カフェインによる脂肪燃焼促進や代謝向上が期待できるものの、コーヒーだけで体重が減少するわけではありません。バランスの取れた食事と運動を基本とし、コーヒーを補助的に活用することで、健康的な生活をサポートできるでしょう。気になる症状がある場合や持病をお持ちの方は、医療機関にご相談ください。
参考文献
厚生労働省「食品に含まれるカフェインの過剰摂取についてQ&A」
国立がん研究センター「コーヒー摂取と全死亡・主要死因死亡との関連について」
全日本コーヒー協会「コーヒーと健康」
日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド」

