舌癌のその他の治療
次に、手術以外の治療について解説します。
放射線治療
組織内照射と外部照射の、二つの主要手法があります。
組織内照射では、がん組織内に直接放射性物質を挿入し、局所的に高い放射線量を照射し、主に小さな腫瘍に対して適用されます。
外部照射は、体外からがん細胞へ放射線を照射し、広範囲の治療や術後の補助治療<として行われます。
副作用は、早期には口腔内の乾燥や味覚障害が現れることがあります。
口内炎がひどい場合には、摂食障害や発音障害を引き起こす可能性もあります。
遅発性の副作用としては、開口障害や下顎骨の問題などが生じることがあります。
化学療法
進行した症例や手術が困難と判断された場合、または再発や遠隔転移のリスクを減少させる目的で選択されます。
抗がん剤が使用され、また、がんの進行を遅らせたり、症状の緩和を目指したりするために、免疫チェックポイント阻害薬、分子標的薬、タキサン系、フッ化ピリミジン系の代謝拮抗薬などの治療薬が利用されることもあります。
舌癌のリハビリテーション
舌癌治療後に重要なリハビリテーションについて、以下で解説します。
嚥下(飲み込み)のリハビリテーション
舌癌の手術後に生じる飲み込む機能の低下に対応し、誤嚥による肺炎などのリスクを減少させるための訓練です。残された舌や再建された舌の機能に応じて、飲食物の摂取方法を習得します。訓練方法には「すすり飲み」技法などがあります。
また、首を後ろに傾けて重力を利用し食べ物を喉に送る訓練も行われます。
そして、食べ物へのとろみ付けや一口の量を調節するなどの工夫も重要です。
発音のリハビリテーション
舌癌治療後に頬、唇、残存する舌などの動きを調節し、正確な発音を可能にするための訓練です。
鏡を使いながら、発音のために必要な口腔の動きを学びます。
舌を切除した後は、舌の動きを再学習することが重要です。
発声前には「すすり飲み」をして、唾液を管理する訓練が行われます。
発声と発音を改善し、口を大きく動かす練習を通じて、明瞭な発話を目指します。
装置を使用したリハビリテーション
舌接触補助床(PAP)や軟口蓋挙上装置(PLP)といった装置を活用する方法があります。舌や軟口蓋の機能不全を補助し、嚥下や発音を改善する目的で用いられます。
PAPは、カ行やタ行の発音をしやすくします。
PLPは、軟口蓋の挙上が不十分で、息が鼻から漏れてしまう問題を解消するために使用され、よりクリアな発音を補助します。
頸部郭清術後のリハビリテーション
手術による顔の腫れや首の固さ、肩の動きにくさなどの運動障害への対応を目的としています。
肩や首の負担を減らす生活様式を心掛けながら、腕を上げる動作や肩、首を柔軟にするエクササイズをします。
これらの活動は、退院後の外来や自宅で継続し、徐々に症状の改善を目指します。

