「マウスガード」と聞くと、ボクシングやラグビーなど激しい接触のあるスポーツで使用される歯のプロテクターをイメージする方も多いのではないでしょうか? しかし近年、マウスガードは単なる安全具としてだけでなく、スポーツパフォーマンスの向上にも効果があることがわかってきました。そこで、マウスガードを装着するメリットや注意点について、おおしか歯科医院の大鹿先生に解説してもらいました。

監修歯科医師:
大鹿 明完(おおしか歯科医院)
日本大学松戸歯学部卒業。同大学付属病院での臨床研修医課程修了後、総合歯科での勤務を経て、おおしか歯科医院院長に就任。「自分たちが受診したいと思う歯科医院」をモットーに、患者さんへの細やかな配慮と通院しやすい環境づくりを重視している。歯科医師・スタッフともに継続的な研修に励み、最新の治療技術の習得に努めている。信州スポーツデンティスト、日本スポーツ協会公認スポーツデンティスト
編集部
スポーツ時にマウスガードを装着すると、具体的にどのような効果が期待できますか?
大鹿先生
マウスガードには大きく3つの効果があります。1つは、ボールやほかの選手との接触による舌、歯、顎骨などのケガを予防できることです。また、選手同士が接触する際に、自身の歯で相手の頭部や顔面、目などを傷つけてしまうリスクも軽減できます。くわえて、プレー中の強い噛みしめによって起こる歯の摩耗(歯が削れる)や破折(欠ける・折れる)を予防する効果があります。これら3つの効果により、安全かつ安心してプレーに集中できる環境を整えられるのがマウスガードの利点です。
編集部
スポーツガードの装着は、競技のパフォーマンスにも良い影響があるのでしょうか?
大鹿先生
適切なマウスガードの装着は、スポーツパフォーマンスの向上にも貢献します。実際に、マウスガードの装着で噛み合わせが定まると、体幹が安定して筋力が向上するという研究結果も報告されています。くわえて、接触によるケガへの不安や恐れが軽減されることで、選手がよりリラックスした状態で競技に専念できるという心理面の効果も大きいようです。これらの効果により、競技における集中力と積極性が増し、全体的なパフォーマンスの向上が期待できます。
編集部
これらのメリットの一方で、マウスガードの装着にデメリットはないのでしょうか?
大鹿先生
マウスガードを装着すると、どうしても異物感が伴います。競技で義務化されている場合は装着が必須ですが、任意の場合は選手自身がその異物感とどう向き合うかが課題となります。選手によっては異物感で集中力が低下したり、口の中が気になってプレーに影響が出たりするケースもあるため、そのあたりは慎重な判断が必要です。
編集部
そのほかに、マウスガードの装着にあたって注意点があれば教えてください。
大鹿先生
装着中のスポーツドリンクの摂取はむし歯リスクを高めてしまうため、飲食時は必ずマウスガードを外し、外した後は丁寧なケアを心がけることが大切です。また、顎の成長期にある若い選手の場合は定期的な作り替えが必要となりますので、その点もあらかじめ留意していただきたいと思います。
※この記事はメディカルドックにて<スポーツのパフォーマンスが向上 「マウスガード」の効果を歯科医師が解説>と題して公開した記事を再編集して配信しており、内容はその取材時のものです。
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