夫への気持ちが覚めていることを自覚
「明子、大丈夫? 」
渚が心配そうに尋ねました。
「大丈夫、私、すごく冷静。嫌悪感はあるけど、もうあの人に気持ちはないから」
謙太たちは、レストランを出てすぐ、何の迷いもなく、手を繋ぎました。そして、タクシーを捕まえ、向かった先は、この辺りでは有名なホテル街です。
渚が静かに車を追います。ホテル街の裏路地に車を停めた後、謙太たちがホテルに入っていく様子を、渚が持っていた望遠レンズ付きのカメラで撮影しました。
「これで、決定的な証拠は完璧。肉体関係の推認はまず間違いないわ」
渚はカメラを置いて言いました。私はホテルを見上げました。今、あの建物の中で、私の夫が、私以外の女性と……。
「ねえ、渚。もう、我慢しなくていいよね」
私の声は震えていました。渚は私の肩を叩き、力強く頷きました。
「うん。ここで最高の瞬間を待とう。出てきたところで突撃。明子の思っていることを全部言おう。私がついてるからね」
私は深く息を吸い込み、決意しました。この瞬間こそが、謙太と不倫相手にとって、地獄の始まりなのだと――。
あとがき:冷めた心と復讐の最終準備
この話の最大のポイントは、明子の感情が完全に「冷え切った」ことです。愛憎の「愛」が消え、残ったのは裏切りへの「嫌悪感」と「怒り」のみ。この心の冷えが、彼女を最強の復讐者へと進化させます。もはや、夫婦の情などなく、彼女の行動原理は「正当な代償を払わせる」というビジネスライクなものになりました。ホテルへの尾行と撮影は、その冷徹なプロセスの集大成です。
※このお話は、ママリに寄せられた体験談をもとに編集部が再構成しています。個人が特定されないよう、内容や表現を変更・編集しています
記事作成: ゆずプー
(配信元: ママリ)

