
アルツハイマー型認知症と診断された祖母・きみ子さんの介護を長く担ってきたさとみさん(@satomi_qoljojo)。同居する身内として、きみ子さんから「財布を盗った!」と疑われたり、昼夜問わず付きまとわれたり、深夜に一人歩きを止めたりする日々が続き、睡眠不足になることもあった。


きみ子さんは介護サービスを受けるための認定調査で「要介護2」と判定された。事前予想ではもっと軽い「要支援」かもしれないという話もあっただけに、さとみさんは自分の苦労が報われたような気持ちになったという。しかし、介護度が低ければ楽という考えは間違っていると、のちにコミックエッセイ『嫌いから可愛いになった私のおばあちゃん 〜認知症介護実録〜』で気づいた。当時の心境について聞いた。
■「要介護認定」と、報われた苦労
彼氏から「要介護認定の重い軽いで介護が楽か楽じゃないかの判断基準にはならない」という言葉があった。さとみさんは、この話を聞いたときの心境を「重労働であることを認めてもらえたようで、周りにどう思われているかは置いといて素直にうれしかった」と語る。
作中で「軽い区分だから楽だという考えは間違っている」と触れたことについては、「一般的には『軽い区分=自分でできることが多い』という認識ですが、苦悩はそれぞれだと実感しています。動けるぶん遠くに行ってしまったり、口が達者なら罵声や大声などで精神がえぐられたりする。私の場合は、おばあちゃんが思ったことをガンガン言うので、外から見たらとても元気で介護もそんなに大変そうではないと思われていても、結構精神は削られていた、なんてこともありました」と説明する。
■「必ず終わりが来る」辛い介護で大切なこと
要介護2と判定されたことでケアマネジャーにケアプランを作ってもらうことになった。定期訪問のほか、デイサービスを探す際にも相談に乗ってもらったと振り返る。
在宅介護で大変な思いをしている人に向けて、さとみさんは「辛さが少しわかる分、言葉に詰まるのですが、私は同情だけでは作業が楽にならないと考えてしまう性格なので、どうすれば辛さが和らぐのかを考えたいです。なので『今どういう状況?』とお声がけしたいですね」と語る。追い詰められていると正確な状況把握ができていないこともあるため、解決案を出さなくても良いきっかけになるという。また、「必ず終わりが来る」という言葉に、永遠に続くかもしれないという錯覚に陥っていた当時の自分が救われたとも明かす。
介護に限った話ではないが、“辛さ”は人によって感じ方が異なり、変化していくものだ。自分の辛さと他者の辛さを比較して、ただでさえ辛いときにさらに自分を追い込むような思考をしないことが大切だ。ネガティブなときには思考もネガティブに傾きやすいので、さとみさんの彼氏のように、きちんと話を聞いてくれる人に思いをぶつけるのも一つの手だろう。
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