最近声がかすれるようになった・むくみがある・元気がでないなどの症状があると甲状腺機能低下症ではないかと不安に思う人がいます。
甲状腺機能低下症は甲状腺ホルモンの不足から起こる病気で、心身にさまざまな症状が現れます。
症状は多岐にわたるので、不安な思いを抱く人は多いのです。
そこで今回は甲状腺機能低下症について質問にお答えしていきましょう。
予後の注意点などについても解説しているので、参考にしてください。
※この記事はメディカルドックにて『「甲状腺機能低下症」とは?症状・原因・治療法も解説!【医師監修】』と題して公開した記事を再編集して配信している記事となります。

監修医師:
濵﨑 秀崇(医師)
東京大学理学部卒業、広島大学医学部卒業。国立国際医療研究センター病院、国府台病院勤務を経て、2024年9月より「うるうクリニック関内馬車道」に勤務。糖尿病を専門に、内科疾患および内分泌疾患を幅広く診療している。医学博士。日本内科学会総合内科専門医、日本糖尿病学会専門医、日本スポーツ協会公認スポーツドクター、日本体力医学会評議員。
甲状腺機能低下症の予後と注意点

甲状腺機能低下症は治りますか?
甲状腺機能低下症は完治しにくい病気といわれています。場合によっては継続的治療が必要なこともあるでしょう。ただ経過観察のみという方も多く、悲観的にならないように日常を過ごすことが大切です。
薬の服用をきちんと続けることで甲状腺ホルモンは充分にコントロールできます。薬をいつまで服用しなくてはいけないかは個人によって違います。
内服を止められる人もいれば経過によっては長く続ける必要のある人もいるのです。完治といえないまでも、病気を改善することは充分に可能です。
予防方法や日常生活における注意点があれば教えてください。
甲状腺機能低下症を予防する方法は現在のところ確立していません。妊娠や出産を契機に機能の低下が現れる場合があるので、少しでも異常を感じたなら早めに受診することが大切です。
またヨード類の摂取しすぎも甲状腺機能低下症になりやすく、ヨード類が足りない場合も同様のため、過剰・過少摂取には注意が必要です。
特に昆布類にはヨードが多く含まれます。ですので過剰に摂り過ぎないようにしてください。またうがい薬などにもヨードが含まれていることがあるので気を付けましょう。
妊娠・出産が可能かどうか知りたいです。
甲状腺機能低下症と診断されても、甲状腺ホルモンの服用で正常になればもちろん妊娠・出産は可能です。
ただ甲状腺機能低下症とわからないまま治療を行わずにいると、排卵が行われず妊娠し難い場合もあります。検査して甲状腺機能低下症の疑いはないかをチェックするようにしてください。
妊娠中に処方される甲状腺ホルモン剤は、チラーヂンという胎児に悪影響をあたえるという報告のないものなので安心できるでしょう。特に妊娠初期はTSH<2.5となるようにチラーヂンSの内服量を調整して処方されるのでより安心です。
妊娠中に甲状腺機能低下症になってしまった場合、まずは甲状腺機能低下症の治療をしっかりと行うことが、母体と胎児の保護につながるのです。
最近では、甲状腺ホルモンは妊娠初期の胎児の脳を支えているということがわかってきました。妊娠中の甲状腺ホルモンの補充はお母さんにとっても赤ちゃんにとっても大切なことといえるのです。
最後に、読者へメッセージがあればお願いします。
甲状腺機能低下症は、健康な人であっても潜在的に甲状腺機能の低下がみられるほど珍しくない病気です。
特に妊娠や出産を契機に機能低下が現れるケースが多いので、もし気になることがあれば早めに検査を受けるようにしてください。
きちんと治療すれば怖くありませんが、症状が無く気付かないままに重症化して、心不全や意識障害を起こすこともあるので注意しましょう。
編集部まとめ

今回は甲状腺機能低下症に関する質問にお答えしました。
甲状腺機能低下症は甲状腺の働きが低下することで、甲状腺ホルモンの分泌量が少なくなる病気です。
症状が多岐にわたり、なかなか理解してもらえない場合もある病気ですが、きちんと治療することで改善できる病気でもあります。
重症化した場合には心不全などを引き起こす可能性もあるため、気になるときには早めに内分泌代謝内科・甲状腺科・耳鼻科を受診してください。
参考文献
甲状腺機能低下症|日本内分泌学会
甲状腺疾患診断ガイドライン2021|日本甲状腺学会
甲状腺機能亢進症・機能低下症

